紀子さまは、誕生日にあたって、記者の質問に文書で回答を寄せられました。 この中で、長男の悠仁さまの成年式について、「伝統ある宮中の行事を父から子へ伝え、悠仁が今回の行事を大切に務めることにつながったことを感慨深く思っております」と述べられました。 そのうえで、悠仁さまに期待していることとして、「いまは大学生として学業に取り組む傍ら、多様な経験をしながら視野を広げる機会を積極的に持ってほしいと思います」とつづられました。 またこの1年を振り返り、戦後80年にあたり、広島を訪れて被爆者と懇談したことや能登半島地震の被災地への訪問、大阪・関西万博の会場でのイベントをきっかけに、難病患者と家族を支援するコンサートに出席したことなどに触れ、「一つ一つの出会いや出来事が互いに関わり合い、新たな出会いにつながっていくということを幾度も経験した一年でした」と述べられました。 ご家族について尋ねられると、次女の佳子さまが国内外で公的な活動にあたられていることに触れたうえで、「これまで以上に、それぞれの務めに心を尽くして取り組んでいるように感じられ、心強く思っております」とつづられました。 この春、運転免許証を取得した悠仁さまが、秋篠宮さまが大学時代から愛用されてきたやまぶき色のビートルの助手席に秋篠宮さまを乗せて、赤坂御用地内で時々、ドライブを楽しまれていることも明かされました。 アメリカで暮らしている長女の小室眞子さんがことしの春に第1子を出産したことについては、「家族そろって大変うれしく思っています。孫が少しずつ遠出できるようになり、旅行をすることに慣れてから、よいタイミングで日本を訪れてくれたらと思っています」と述べられました。 そのうえで、「2人が初めての子どもを慈しみ育てているようでほほえましく感じています。家族3人の穏やかな日々と幸せを心から願っています」とつづられています。 紀子さまの文書での回答 宮内記者会の質問と、紀子さまの回答です。 (問1)9月6日に悠仁さまは成年式を迎えられました。成年式を終えられた感想とともに、成年皇族としてどのように歩んでほしいか、期待をお聞かせ下さい。今年4月に筑波大に進学され、母として悠仁さまの成長を具体的にどのような場面で感じられていますか。大学や家庭、成年式の準備など最近のご様子も合わせてご紹介ください。海外留学についてご家族で話し合っていることがあれば、お教え下さい。 <成年式を終えて> 先週の9月6日、悠仁の誕生日に成年式がおこなわれました。天皇陛下から賜った冠をお受けするお儀式に始まり、天皇皇后両陛下にご臨席を賜りました「加冠の儀」、宮中三殿での拝礼に臨む「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」、天皇皇后両陛下にご挨拶申し上げる「朝見の儀」をはじめとする一連の儀式が執りおこなわれ、内宴には上皇上皇后両陛下にもご臨席を賜りました。翌日、悠仁は伊勢に向かい、8日に神宮を参拝し、その後に神武天皇山陵を参拝しました。9日には昭和天皇山陵をはじめとする御陵を参拝しました。そして昨日おこなわれた午餐では、出席いただいた三権の長をはじめとする方々にご挨拶しました。 成年式は、古くから宮中でおこなわれてきた儀式です。昭和60(1985)年11月に催された宮さまの成年式から40年経っており、当時のことを知る職員がほとんどいない中、資料を紐解き、有職故実の専門家などのお話を伺い、関係者と準備を進めました。 成年式がおこなわれた9月6日は夏の装束を着る時期で、宮さまの成年式が執りおこなわれた11月は冬の装束の時期であるため、夏冬に違いのない、未成年が着用する黒絹製の一種の額当て「空頂黒※サク(くうちょうこくさく)」と、桧の薄板を重ねた扇子「桧扇(ひおうぎ)」は宮さまがお使いになったものを使い、その他は式がおこなわれる季節に合わせて夏用の装束を新たに調えました。宮さまが40年前に使った空頂黒※サクと桧扇、悠仁自身が5歳のときに着袴(ちゃっこ)の儀・深曽木(ふかそぎ)の儀で使った未成年が持つ「横目扇」、そしてこの度新しく調えた装束とを合わせて臨んだ成年式でした。 悠仁は、宮さまや私と一緒に専門家をはじめ関係者と話し合いながら、行事に向けて支度をおこなっていきました。夏頃からは、装束を着たときの所作や笏の持ち方などについて少しずつご助言をいただきました。こうした過程の中で、装束と所作について関心をもって学び、儀式の意義と共に自らの責任と務めを感じたようです。伝統ある宮中の行事を父から子へ伝え、悠仁が今回の行事を大切に務めることにつながったことを感慨深く思っております。 こうして成年式と関連する諸行事を終えることができましたことに安堵しております。また、このように悠仁が一つ一つの務めを果たし、一連の行事が滞りなくおこなわれるように、準備し支えてくださった関係者のご尽力に深く感謝しております。そして、悠仁が誕生してから成長していく日々をお見守りくださり、成年式を迎えたことへ祝意を寄せてくださった多くの方々に心から感謝いたします。 ※サクは「巾」に「責」 <成年の皇族としてどのように歩んでほしいか、期待していること> 悠仁は昨年9月の誕生日に、18歳の成年を迎えました。そのときは高校生活を送る中で、進路について先生や家族とも話し合いながら、目標に向けて勉学に励んでいました。冬に大学の進学先が決まり、高校を卒業する前に、記者会見がおこなわれ、成年の皇族としての立場や思い、これまでの経験や現在の関心事などをまとめて話す機会がありました。悠仁にとって公の場で自分の考えを伝える貴重な経験になったと思います。 また今年の2月には、京都府北部にある「舞鶴引揚記念館」を一人で訪ね、現地の中学生、高校生、大学生たちに案内していただきました。平成29(2017)年の春に宮さまと私も訪ねた記念館であり、折にふれて話をしていました。これからも、一人で初めて訪ねていく場所もあれば、再訪する場所もあると思います。また今まで私たち家族が訪れたことがない場所などに出かけることもあることでしょう。 今年の春まで高校生活を、そして大学入学後も学生生活中心の日々を送っています。在学中は学業優先になると思いますが、成年式を終え、これから成年の皇族として、宮中の行事や祭祀、公的な仕事に携わるようになります。一つ一つの務めを大切にし、役割をしっかり担って自分の道を歩んでほしいと願っています。…
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