2025年8月24日 17時55分 福島第一原発 処理水 福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどを含む処理水について、東京電力が基準を下回る濃度まで薄めた上で、海への放出を始めて2年となりました。海や水産物など環境への影響はどうなっているのか?専門家にも取材してまとめました。 Q1.処理水の放出で、海や魚などに影響は出ていないの? A.処理水の放出による海への影響について、東京電力や国などは原発周辺で海水や水産物のモニタリングを行い、トリチウムの濃度を公表しています。 このうち海水については、東京電力が原発から3キロ以内の海域で放出期間中は毎日、放出していない期間は週に1回、海水を採取してトリチウムの濃度を分析しているほか、原子力規制庁や環境省、福島県もモニタリングを行っています。 これらの分析結果では、この2年間で検出された海水に含まれるトリチウムの濃度は、最大で1リットルあたり61ベクレルでした。 これは東京電力が自主的に放出の停止を判断する基準としている700ベクレルや、WHO=世界保健機関が定める飲料水の基準の1万ベクレルを大きく下回っています。 水産物については、水産庁が福島県や近隣で水揚げされたヒラメやカレイなどに含まれるトリチウムの濃度を調べています。 これまでに分析が終わった422の個体すべてで、機器で検出できる下限値の1キロあたりおおむね10ベクレルを下回りました。 Q2.放出されたトリチウムは、人や魚に蓄積したり濃縮したりしないの? A.SNS上では、おととしの処理水の放出開始の前後に「トリチウムが生き物に蓄積するのではないか」といった内容の投稿が見られました。 茨城大学大学院理工学研究科 鳥養祐二教授 トリチウムについて30年にわたり研究している茨城大学大学院理工学研究科の鳥養祐二教授は「これまでの研究では、トリチウムが生物の体内から排出されずに蓄積するといったデータは確認されていない」と話しています。 トリチウムの化学的な性質は水素とほぼ同じで、地球上にあるほとんどのトリチウムは水の一部として存在することがわかっています。 鳥養教授作成の資料より 鳥養教授によりますと、海水にはもともと1リットルあたり0.1ベクレルほどのトリチウムが含まれているといいます。…