
福井 再審無罪判決 検察 “上告しない方向”で最終調整
39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で7月、前川彰司さんに無罪を言い渡した判決について、検察が上告しない方向で最終的な調整を進めていることが関係者への取材で分かりました。検察が上告しなければ前川さんの無罪が確定することになります。
1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で、有罪が確定して服役した前川彰司さん(60)は一貫して無実を訴えて裁判のやり直しを求め、去年10月、再審が開かれることになりました。
そして、7月18日、再審の判決で名古屋高等裁判所金沢支部は当時、有罪の決め手とされた知人らの目撃証言について、「捜査に行き詰まった捜査機関が誘導などの不当な働きかけを行い、関係者がそれに迎合した証言をした結果、形成された疑いが払拭(ふっしょく)できず、いずれも信用できない」などとして前川さんに無罪を言い渡しました。
この判決について、検察が最高裁判所に上告しない方向で最終的な調整を進めていることが関係者への取材で分かりました。
上告するためには憲法違反や判例違反などの理由が必要で、上告は難しいと判断しているものとみられます。
上告の期限は8月1日で、検察が上告しなければ事件の発生から40年近くがたって、前川さんの無罪が確定することになります。