アメリカのトランプ政権が鎮痛解熱剤の有効成分「アセトアミノフェン」を妊婦が服用すると子どもの自閉症のリスクを高めるおそれがあると主張したことを巡り、WHO=世界保健機関は関連性は確認されていないとする研究結果もあり、因果関係を結論づける際には相当な注意が必要だと訴えました。

アメリカのトランプ政権は22日、鎮痛解熱剤の有効成分アセトアミノフェンを妊婦が服用すると子どもの自閉症のリスクを高めるおそれがあると主張して必要な場合を除いて服用を控えるよう求め、これに対して医療系の学会などが相次いで反対の声明を出しています。

こうした中、WHOの報道官は23日の会見でアセトアミノフェンと子どもの自閉症との関係について「関連を示唆する研究はいくつかあったが一貫した証拠は認められず、その後に行われた複数の研究では関連性は確認されていない」と指摘しました。

そのうえで「もしアセトアミノフェンと自閉症との関連性が強いのならば、複数の研究で一貫しておなじ結果が出ていただろう」と述べ、因果関係を結論づける際には相当な注意が必要だと訴えました。

また報道官は「各国のすべての保健機関が科学が示す結果に誠実に向き合うことを強く願っている」と述べました。