三菱UFJ銀行の元行員が貸金庫から顧客の金塊や現金など、あわせて3億9500万円相当を盗んだ罪に問われている事件の裁判で、元行員はFX投資の損失の穴埋めに盗みを繰り返したとして、「投資をやめてしまうとお金が返せなくなると思い、感覚がまひしていた」と述べました。

三菱UFJ銀行の支店長代理だった山崎由香理被告(46)は、おととしから去年にかけて勤務していた練馬支店と玉川支店で、貸金庫から顧客の金塊や現金などあわせて3億9500万円相当を盗んだとして、窃盗の罪に問われています。

元行員は起訴された内容を認めていて、25日の裁判では被告人質問が行われました。

この中で元行員は、3年前にFX投資で5億円余りの損失を出し、穴埋めのために盗みを繰り返したとして、「投資をやめてしまうとお金が返せなくなると思った。数千万円を超えた時点では感覚がまひしていた」と述べました。

また、あわせて100人ほどが貸金庫に入れていた17億円から18億円相当を盗んだと述べ、「被害者に大変なご迷惑をおかけし、銀行の信頼を傷つけてしまった。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪しました。

次回の裁判は来月18日に開かれ、検察の論告と求刑、弁護側の弁論が行われる予定です。