TICAD 300 | NHK

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20日に開幕するTICAD=アフリカ開発会議にあわせて、日本の政府と企業は現地政府などと連携する覚書を300件以上交わす方針です。アフリカの開発を支援するとともに、存在感が乏しい日本企業の輸出や投資を後押しすることにしています。

日本とアフリカ各国が参加するTICADは、20日に横浜市で開幕します。

関係者によりますと、これにあわせて日本の政府と企業はアフリカの政府や企業と協力関係を深めるため、あわせて300件以上の覚書を交わす方針です。

この中では、アフリカ各国の政府が日本から医療や農業など7つの分野の製品を輸入する際、日本の金融機関から「アフリカ輸出入銀行」を通じて資金を借り入れやすくなるよう、日本の政府系保険会社が保証を付けるとしています。

また、個別の国としては、日本の金融機関によるケニア政府への融資に対しても特別に数百億円規模の保証を付け、日本の自動車メーカーなどの投資を促す補助金として活用してもらう考えです。

アメリカのトランプ政権による関税措置で、輸出の先行きに懸念が広がるなか、人口増加が続くアフリカは期待を集めている市場です。

一方で、日本企業は政治が安定しないなどのリスクを敬遠して存在感が乏しいことから、官民で連携を深めてアフリカの開発を支援するとともに、企業の輸出や投資を後押ししたい考えです。

アフリカ市場 魅力と課題

人口の増加が続くアフリカは、世界経済の“ラストフロンティア”と呼ばれている一方、日本からの投資や輸出はここ数年伸び悩んでいます。

アフリカは、25年後の2050年には世界の人口のおよそ4分の1を占めると予想されているうえ、年齢も若いため、巨大市場に成長すると期待されています。

成長を取り込もうと、日本政府は前回、3年前のTICADで官民あわせて総額300億ドル規模の資金を投入する方針を表明しました。

ところが、JETRO=日本貿易振興機構によりますと、日本によるアフリカへの投資残高は、おととしの年末で80億ドルと、ピークだった2013年末の120億ドルと比べると大きく減っています。

背景として、企業からは政治が安定しないという声があがっているものの、世界各国の投資残高をみると、歴史的に関係の深いヨーロッパの国々が多いというだけでなく、中国も日本の5倍以上の420億ドルに上り、日本の少なさが顕著になっています。

アメリカの関税措置で日本からの輸出にも影響が及ぶと懸念されているなか、将来性が豊かなアフリカ市場は日本経済の成長にとって重要な位置を占めるだけに、今回打ち出した連携の実効性が問われています。

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