ウクライナ軍 「クモの巣作戦」以降ロシア領内への攻撃強化か | NHK
ウクライナ軍 「クモの巣作戦」以降ロシア領内への攻撃強化か 2025年7月7日 7時47分 ウクライナ情勢 ウクライナは、前線から離れた地域にあるロシア側の軍事工場などをねらった攻撃を続けています。先月、「クモの巣作戦」と称してロシア各地の軍用飛行場への攻撃を行って以降、ロシア領内への攻撃を強化しているとみられます。 ウクライナ軍の参謀本部は、今月6日の発表で、5日の夜にロシア中部チュバシ共和国にある軍事工場を攻撃したと明らかにしました。 参謀本部は、この工場がロシア軍の自爆型の無人機や、ミサイルなどに使われるアンテナを生産していたと主張しています。 また、今月1日には、中部の都市イジェフスクに対しても無人機による攻撃を行い、防空ミサイルシステムの製造や攻撃型無人機の開発に関わる軍事工場内の生産施設などをねらったと伝えられています。 ウクライナは、先月1日、「クモの巣作戦」と称してロシア各地の軍用飛行場への攻撃を行い、戦略爆撃機などに損害を与えたと成果を強調していて、それ以降、前線から離れたロシア領内への攻撃を強化しているとみられます。 アメリカのシンクタンク、戦争研究所は5日、「ウクライナ側は、ロシアの防衛産業の基盤をねらった長距離の攻撃を行う能力があることを示し続けている」と指摘しました。 一方、ロシアは、ドネツク州やハルキウ州など、ウクライナ東部の前線で攻勢を強めていて戦争研究所は、ドネツク州にあるウクライナの輸送拠点、ポクロウシクを数か月以内に包囲しようとしているという見方を示しました。 ウクライナの防空能力強化 ドイツが支援に乗り出す構え アメリカがウクライナへの一部の兵器の輸送を停止し、ウクライナの防空能力の低下が懸念される中、ドイツが支援に乗り出す構えを示しています。 ドイツの複数のメディアによりますと、メルツ首相は3日、アメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、ウクライナの防空能力の強化について話し合ったということです。 またドイツ政府の報道官は4日、記者会見で「パトリオットの穴を埋めるためにはさまざまな方法がある」と述べ、ウクライナへの輸送が停止されたと伝えられている防空システム「パトリオット」をドイツ政府がアメリカから調達し、ウクライナに供与する案について検討していることを明らかにしました。 アメリカメディアのブルームバーグは4日、政府関係者の話として、ドイツが2基の「パトリオット」をウクライナに供与するため、すでにアメリカ側に取り引きを提案し、協議を進めていると伝えています。