各地で新米の販売はじまる 価格は 卸売業者は
各地でことしの新米の販売が始まっています。長野県内のJAグループのスーパーでは、25日から新米の販売が始まりました。
コメの卸売と小売を手がける業者の動き、小泉農林水産大臣の記者会見など、26日のコメに関する動きをまとめました。
長野でも新米の販売始まる その価格は…
JAグループのスーパー「長野県A・コープ」の店舗で25日からことしの新米の販売が始まり、長野市内の店舗では届けられた新米を従業員が手際よく棚に並べていきました。
価格は県内産のコシヒカリが5キロあたり税抜き3990円で、R6年産のコメの直近の店頭価格、税抜き4000円前後とほぼ同じ水準になっています。
一方、去年の新米の売り出し当初の価格と比べるとおよそ1.5倍に値上がりしているものもあるということです。
長野市の60代の買い物客
「備蓄米も食べましたが、やはり新米かなと思い購入しました。高い価格に慣れてしまっていますが、できれば下がってほしいです」
長野県A・コープ商品第2課 樽田博儀課長
「心配されたほど作柄も悪くなくおいしい新米なので、皆さんに食べてほしい」
コメ卸売などの業者 新米の販売価格を引き上げ 背景は
宮城県石巻市に本社があるコメの卸売と小売を手がける業者は、今週末から始まる新米の販売に向けて準備を進めています。
この業者は、宮城県北部にあるおよそ100軒の農家からひとめぼれやササニシキなどのコメを集荷していて、毎年この時期に自社の店舗やネット通販などで新米の販売を始めています。
ことしは新米の販売にあたって価格をいくらに設定するかでもっとも悩んだということです。
業者間でコメの集荷競争が激しくなり、農家から仕入れる価格が上がっていますが、それを販売価格に転嫁すれば売れ行きに影響しかねないと考えたからです。
宮城県内では、JA全農みやぎが主力品種のひとめぼれについて、農家に仮払いする「概算金」の基準を、2024年産よりも4割あまり高い60キロあたり3万1000円に引き上げています。
こうしたことからこの業者ではほかの地域での価格や販売の動向なども検討した結果、去年に比べて40%から50%ほど新米の販売価格を引き上げることを決めました。
宮城商事 佐々木理恵取締役
「農協の概算金が高くなったことに加えて農薬や肥料などが高くなっている。農家からは少しでも高く買わなくてはならないし消費者には少しでも安く売らなくてはならないので、とても難しい」
小泉農相 コメ価格 “新米出回りなどで過渡期 冷静な対応を”
小泉農林水産大臣は26日の閣議のあとの会見で全国のスーパーで販売されたコメの平均価格が再び高値になっていることについて「新米の出回りなどを背景に過渡期にある」と述べた上で、ことしは需要を超える生産量が見込まれるとして事業者に冷静な対応をとるよう呼びかけました。
農林水産省によりますと、全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、今月14日までの1週間で5キロあたり税込み4275円と、ことし5月中旬につけた最高値4285円に迫る水準となっています。
これについて小泉農林水産大臣は閣議のあとの会見で「新米の出回りなども背景に価格が上昇に転じる局面も見られ、過渡期にあると考えている」と述べました。
その上で向こう1年、主食用米は需要を超える生産量が見込まれるとして「事業者からはコメが足りなくなるのが心配だという声もあるが、こうしたデータもしっかり見た上で冷静に対応してもらいたい」と述べました。