健保連 昨年度決算見込み 全体は黒字も 半数近くの組合が赤字

医療・健康

大企業の従業員らが加入する健康保険組合の昨年度の決算見込みは、全体では黒字となったものの、半数近くの組合が赤字となりました。組合の連合会は、財政状況を改善し、現役世代の負担も軽減するため、高齢者の医療費の窓口負担を引き上げるべきだとしています。

健保連=健康保険組合連合会がまとめた昨年度・令和6年度の決算の見込みによりますと、組合全体の収入は、賃上げで保険料収入が増えたことなどから前の年度より4.9%増えて、9兆2677億円となりました。

これに対し支出は、保険給付費や、高齢者の医療制度を支えるための拠出金が増えたことなどから、前の年度より3.2%増えて、9兆2531億円となりました。

この結果、全体では145億円の黒字となりますが、加盟する1378の組合のうち、半数近くの660の組合が赤字となる見込みです。

また、労使双方の負担を合わせた保険料率の平均は9.31%で、1人当たりの保険料も年間54万146円となり、いずれも過去最高となりました。

健保連は、各組合の財政状況は依然として厳しく、現役世代の保険料負担も軽減する必要があるとして、医療費の窓口負担を
▽70歳から74歳は、今の原則2割から3割に
▽75歳から79歳は、今の原則1割から2割に
それぞれ引き上げることなどを提言しています。

健保連の佐野雅宏 会長代理は「人口構造が変化し、健康寿命も延びている中、高齢者に一定の負担をしてもらうことは不可避だ。社会保障の財源をどう確保するか、政治でもより具体的に議論してもらいたい」と述べました。