タリバン トランプ大統領の米軍基地返還要求に応じず
アメリカのトランプ大統領が、アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンに、アメリカ軍がかつて拠点としていた基地の返還を求めていることについて、タリバンの軍のトップは要求に応じない考えを示しました。
アメリカのトランプ大統領は今月18日、かつてアフガニスタンで対テロ作戦の最大の拠点としていた、首都カブール近郊にあるバグラム空軍基地について、タリバンの暫定政権に対してアメリカに返還するよう求めていると明らかにしました。
これについてタリバンの軍のファシフディン参謀総長は21日、カブールで演説し、「われわれは領土を1インチたりとも譲歩しない。それは不可能であり、決して起こりえない」と述べ、要求に応じない考えを示しました。
また、タリバン暫定政権のフィトラト副報道官も21日に声明を発表し「アメリカは、過去に失敗したアプローチを繰り返すのではなく、現実的で合理的な政策を採用すべきだ」として、トランプ政権を批判しました。
トランプ大統領は基地の返還を求める理由について、中国の核兵器の製造施設に近く、中国の核戦力に対応するためだとしていて、タリバンと中国が関係を深めていることを背景に、その戦略的重要性が再び注目されていました。