世田谷 女性殺害 容疑者をストーカー規制法違反疑いで再逮捕へ
9月、東京 世田谷区で40歳の女性を刃物で切りつけるなどして殺害したとして交際相手だった30歳の容疑者が逮捕された事件で、警視庁は容疑者が事件当日に現場周辺で待ち伏せしたり、事件の前に女性の自宅マンションに侵入したりしたとして、22日にもストーカー規制法違反などの疑いで再逮捕する方針です。
韓国籍で住所・職業不詳のパク・ヨンジュン容疑者(30)は9月1日、東京 世田谷区の住宅地で交際相手だった韓国籍のバン・ジ・ウォンさん(40)を刃物で切りつけるなどして殺害したとして殺人の疑いで逮捕されました。
調べに対し、黙秘しているということです。
被害者の女性は8月、都内の交番を訪れ、容疑者について「別れ話をしたら暴力を振るわれた」などと相談していて、警視庁は容疑者に対して口頭で指導を行うなどしていました。
捜査関係者によりますと、その後の調べで、容疑者が事件当日、現場周辺で女性を数時間前から待ち伏せしていたほか、事件の前にも女性の自宅マンションに侵入し、部屋の付近をうろつくなどしていた疑いがあることが分かったということです。
警視庁は22日にもストーカー規制法違反と邸宅侵入の疑いで再逮捕する方針です。
2人は日本語の学習アプリを通じて知り合い、ことし4月から交際していたとみられるということで、警視庁は事件のいきさつなどをさらに詳しく調べることにしています。
事件前後 容疑者の詳しい足取りも
これまでの捜査で、容疑者の事件前後の詳しい足取りが分かってきました。
警視庁によりますと、容疑者は8月23日に韓国から来日し、都内にある被害者の女性の自宅マンションに滞在していました。
その後、8月29日の未明に女性が都内の交番を訪れ、容疑者について「別れ話をしたら暴力を振るわれた」などと相談したことから、警視庁は女性を安全な場所に避難させるとともに、容疑者に対し女性に連絡を取ったり近づいたりしないよう、口頭で指導を行いました。
容疑者はこの時、「女性に連絡したり接近したりしない」などとする上申書を提出。
そのうえで「大阪に行く」と話したため、警察官が東京駅まで付き添い、見送ったということです。
しかし、その翌日の8月30日、女性の自宅マンションの警備員から「不審者がいる」と110番通報があり、容疑者がマンションに侵入して女性の部屋の付近をうろついていたとみられることが発覚します。
警視庁は再び口頭で指導を行うとともに帰国するよう促し、30日の午後1時ごろ、成田空港の保安検査場を通過するところまで見届けました。
事件が起きたのは、その2日後の9月1日でした。
警視庁は当時、保安検査場を通過して以降の足取りをつかめていませんでしたが、容疑者はその後航空券をキャンセルし、国内にとどまっていたことが分かったということです。
空港を出た後、容疑者は女性の自宅マンションの近くにあるホテルに宿泊。
事件の前日にスーパーで果物ナイフを購入し、現場付近に10分ほど立ち寄ったうえで、当日はホテルから直接、タクシーで現場へ向かったことが防犯カメラの映像などから確認されたということです。
現場は女性の仕事の関係先で、容疑者は数時間前から周辺で待ち伏せしていたとみられています。
事件の3日前に女性のスマートフォンを勝手に見て、当日の予定を把握していた疑いがあるということです。
そして事件の後は、現場から600メートルほど離れた場所でタクシーに乗り、羽田空港に向かったとみられています。
容疑者は韓国行きの航空券を予約していましたが、事件当日の夕方、羽田空港の国際線が発着する第3ターミナルにいるのが見つかり、逮捕されていました。