ガザ地区 最大の都市ガザ市からの住民退避 昼夜を問わず続く

イスラエル・パレスチナ

イスラエル軍がパレスチナのガザ地区最大の都市ガザ市の制圧に向けて攻勢を強めるなか、住民たちの退避が昼夜を問わず続いています。多くの人はこれまでも退避を繰り返していて、住民からは絶望の声も聞かれました。

イスラエルはガザ地区北部にあるガザ市がイスラム組織ハマスの最後のとりでになっているとして攻勢を強めていて、今月9日には、人口100万近くとされるすべての住民を対象に退避通告を出し、「人道エリア」と称する南部の地域に移動するよう求めています。

NHKガザ事務所が12日に中部ヌセイラト近郊で取材したところ、ガザ市と南部を結ぶ幹線道路では、日中だけでなく夜になっても多くの家財道具をのせたトラックや車で渋滞が発生していました。

多くの人は、これまでに何回も退避を繰り返してきたといいます。

女性のひとりは「悲しみと絶望の気持ちだ。爆発音より停戦の知らせを聞きたい」と涙ながらに話していました。

また、行く当てもないという男性は「イスラエルだけではない。世界も私たちの命や家を奪っている」と話し、イスラエルが作戦を改めるよう国際社会のさらなる関与を求めました。

イスラエル軍によりますと、13日までにガザ市の住民の4分の1にあたる25万人が退避したと推定されるということです。