参議院選挙の投開票日を前に、SNSで「外国人」に触れる投稿が増えています。 各党の訴えも激しさを増していますが、候補者の発言やSNSで広がる投稿の中には、誤った情報や誤解に基づいた情報もあります。 こうした情報の広がりが、排外主義をあおるとして懸念の声も。広がっている「治安」と「賃金」をめぐる情報について、検証しました。 目次 「外国人の増加で治安が悪化」は根拠なし 「不法残留が増え続けている」は誤り 「外国人優遇」根拠のない情報が… いま、SNSではどのようなことに関心が集まっているのか? NHKは、「参院選」や「選挙」ということばとともに、Xに投稿されている内容を、過去1か月分調べました。すると…。 投稿件数は「少子化」がおよそ4万1000件、「安全保障」が11万3000件、「関税」が11万8000件、コメ関連が14万2000件、「年金」が14万6000件、「物価高」が18万8000件、「消費税」が67万4000件、そして最も多かったのは「外国人」で、119万件でした。 同様の広がりはXだけでなく、スレッズやインスタグラム、YouTube、TikTokなどでもみられます。 世論調査などで見える関心との違いもみられますが、こうしたSNSでの関心の高まりにあわせて、各党も訴えの内容に「外国人」を含めてきています。 しかし、SNSで広がる投稿の中には、根拠のない情報などが。候補者が街頭演説などで述べ、さらに広がるケースもありました。 「外国人優遇」についての検証記事はこちら 「外国人の増加で治安が悪化」は根拠なし このうち、「外国人が増えて治安が悪くなっている」という主張は、Xなどで50万回以上、見られている投稿もあります。実際にはどうなのか。 こちらは、日本における外国人の人口と、刑法犯の検挙人数に関して、国立社会保障・人口問題研究所の是川夕 国際関係部長がまとめたデータです。 およそ30年の間に、外国人の人口はおよそ130万人から370万人と3倍近くに。 一方で、検挙された人数は2005年の1万4786人から減少傾向にあり、2023年は9726人でした。…