
元議員公設秘書届け出の人物 “勤務実態なし” 認める趣旨説明
公設秘書の給与をだまし取った疑いがあるとして、石井章元参議院議員の事務所などが東京地検特捜部の捜索を受けた事件で、元議員が一時期公設秘書として届け出ていた人物が、これまでの特捜部の任意の調べに対し、秘書としての勤務実態がなかったことを認める趣旨の説明をしていたことが関係者への取材でわかりました。秘書給与の大半は元議員側に渡っていたとみられ、特捜部は資金の流れなどの解明を進めています。

東京地検特捜部は、日本維新の会を除名され、9月1日に議員辞職した石井章元参議院議員(68)が国から支払われる公設秘書の給与をだまし取っていた疑いがあるとして、8月27日、参議院議員会館の事務所や、茨城県取手市にある地元事務所などを詐欺の疑いで捜索しました。
関係者によりますと、だまし取った秘書給与の総額はおよそ800万円にのぼるとみられ、特捜部は元議員が勤務実態がない人物を公設秘書として届け出ていたとみて調べを進めています。
元議員は、一時期、自身が理事長を務める社会福祉法人に関係する親族を公設秘書として届け出ていましたが、この親族が、特捜部のこれまでの任意の調べに対し、勤務実態がなかったことを認める趣旨の説明をしていたことが関係者への取材でわかりました。
この親族について、複数の事務所関係者はNHKの取材に対し、「自分が知る範囲で、事務所での活動の際に見かけることはなかった」などと話しています。
支払われた秘書給与の大半は元議員側に渡っていたとみられ、特捜部は関係者から事情を聴くなどして資金の流れなどの解明を進めています。