自民 臨時総裁選 是非問う手続き 今週始まる見通し 発言相次ぐ
自民党は、今週、臨時の総裁選挙の是非を問う手続きを始める見通しです。これを前に党内からは、総裁選挙の実施に賛成・慎重双方の立場から発言が相次いでいます。
自民 小泉農林水産相「一議員としてよく考えたい」

自民党の小泉農林水産大臣は、東京都内で記者団に対し、臨時の総裁選挙の是非をめぐる自身の対応について「一議員としてよく考えて、参議院選挙の総括もしっかり見た上で考えたい」と述べました。
また、みずからが会長を務める党の神奈川県連の意思決定について「どのような意見があるかよく聞く必要がある。石破内閣の閣僚で県選出の大臣が私を含めて5人いるので、どのような思いを持って今の党内の状況を見ているか、しっかり把握する必要がある。意見交換したい」と述べました。
笹川農林水産副大臣「けじめつけ新しい形を」

旧茂木派に所属していた笹川・農林水産副大臣は、31日、東京都内で、みずからの支援者らと都市対抗野球に参加する地元企業のチームを応援しました。
笹川氏は、臨時の総裁選挙の実施を求めていて、取材に対し「大将は戦に負ければきちんと責任を取るということだ。そこをきっちりすれば、自民党が正当性を取り戻して政治を前に進めることに必ずつながる。大事なことは、総裁選挙を通じて、われわれが国民に何を訴え、国民が何を受け止めるのかという取り組みをもう一度、真剣にやることだ。しっかりとけじめをつけ、新しい形を見せていくことが大事だ」と述べました。
また、党内の状況について「実施を求める広がりはある。総裁選挙がある前提となっていて、ないとは思っていない。みんな地元で厳しい声や指摘があるから危機感を持っている」と述べました。
一方、副大臣の立場で総裁選挙の実施を求めることについて「公務は公務で政務は政務だ。副大臣という職であると同時に衆議院議員だ。それぞれの立場でベストを尽くせばいい」と述べました。
斎藤洋明財務副大臣「政治的責任を明らかにすべき」

麻生派に所属する斎藤洋明・財務副大臣は旧ツイッターの「X」に投稿し、臨時の総裁選挙の実施に賛成する考えを示しました。
この中で「一連の選挙で示された民意に対して、政治的責任を明らかにすべきだ。リーダーが、まず率先して責任を明確にすべきだ。総裁選の前倒しに賛成するにあたり、任命権者より副大臣の辞任を求められれば辞任する」としています。
稲田元防衛相「選挙の敗北は党全体に責任」

旧安倍派に所属していた稲田・元防衛大臣は、31日、札幌市で、みずからの支援者と会合を開き、党のあり方などをめぐり意見を交わしました。
稲田氏は、臨時の総裁選挙の実施に慎重な考えを示しており、取材に対し「選挙の敗北は、石破総理・総裁と執行部だけの問題ではなく、党全体に責任がある。表紙を変えるとか、総裁選挙をやれば、すべてが解決するという考えには立たない」と述べました。
その上で「『石破総裁を降ろす』と言っている人も降ろしてどうするのか。取って代わろうという人は『こう自民党を再生する』と言わないといけない。旧派閥ごとに何人署名を集めたとか、議員どうしが夜に会って方針を決めるとか、いつまで古いことをやっているのかということになる」と指摘しました。
稲田氏は、参議院選挙の党の総括を見て自身の対応を最終的に決めるとした上で「総裁選挙を要求するにしても、しないにしても、どう自民党を再生していくか、本質的な議論が必要だ」と述べました。
自民 森山幹事長「政争あってはならない」

自民党の森山幹事長は、鹿児島県霧島市で講演し今後の政治のあり方について「国内で政争みたいなことがあってはならない。与党と野党がしっかりと議論して、1つの方向に向かって政治を進めることが、いま、求められていることではないかと最近、強く思う」と述べました。
立民 枝野最高顧問「早く自民党には決着を」

立憲民主党の枝野最高顧問は、さいたま市で講演し「物価高対策をちゃんとやろうという話を秋に向けてしていきたいので、早く自民党には決着をつけてほしい。石破総理大臣と話をすればいいのか、総裁選挙をやるなら新しい総裁と話をすることになるのか、早く決めてもらいたい」と述べました。
一方、今後、内閣不信任決議案を提出すべきかどうかをめぐっては「出す以上はその先をどうするかという話をなしに出してはいけない。出すのは簡単だが今の野党で連立政権を組んでもこれほど主張が違うのだから3日で崩壊するだろう」と述べました。
臨時総裁選の是非問う手続き
2日の「両院議員総会」で、参議院選挙の敗因などを盛り込んだ総括が正式にまとまれば、臨時の総裁選挙の是非を問う手続きが始まります。
臨時の総裁選挙の実施には、295人の国会議員と都道府県連の代表者47人の総数の過半数である172人の賛成が必要で、国会議員の書面の提出は来月8日にも行われます。
各都道府県連の意思決定は、今後、本格化する見通しで、総裁選挙の実施をめぐる党内の駆け引きが活発になる見通しです。