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中国とロシア主導 上海協力機構の首脳会議が開会へ 中国 天津

中国

中国とロシアが主導する国際的な枠組み、上海協力機構の首脳会議は31日、中国の天津で開会します。今回の首脳会議では、現在の国際情勢について意見を交わすことになっており、中国としては、アメリカなどが主導する国際秩序に対抗するため、新興国や途上国などいわゆるグローバルサウスの国々との連携をアピールしようとしています。

上海協力機構は中国やロシアなどが創設した国際的な枠組みで、1年に1度の首脳会議が31日から天津で始まり、9月1日まで行われます。

今回の首脳会議には、加盟国やオブザーバー国などから20を超す国の首脳が出席する予定で、天津の空港には30日から31日にかけて、ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相らが相次いで到着しました。

首脳会議は31日夜、歓迎のレセプションが開かれ、1日は加盟国の首脳による会議が行われます。現在の国際情勢について意見を交わしたり、今後の多国間の協力のあり方などについて協議したりすることにしています。

一方、首脳会議に先立って、天津入りした習主席は、30日はミャンマーの軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官ら、31日はモディ首相ら、これまでに10を超す国の首脳と相次いで会談し、経済協力の強化などで一致したとしています。

中国としては、今回の首脳会議を通して、中長期的な競争相手と見ているアメリカのほか、ヨーロッパの国々を念頭に、新興国や途上国などいわゆるグローバルサウスの国々との関係を強化するとともに連携をアピールしたいねらいがあるものとみられます。

天津には各国の首脳らが到着

開催地、天津には30日から、続々と各国の首脳らが到着しています。

天津の空港には厳重な警備態勢が敷かれ、各国の首脳らが飛行機から降り立ち、レッドカーペットを歩く様子が伝えられています。

30日はインドのモディ首相が天津の空港に到着しました。
インドの首相が中国を訪問するのは7年ぶりです。
モディ首相は出迎えた中国側の高官らと握手を交わしたあと、子どもから花束を受け取りました。
そして中国側の華やかな踊りにあわせてレッドカーペットを移動しました。
モディ首相は30日、SNSに現地のインド人コミュニティーからも「特別な歓迎を受けた」とする写真を投稿しました。

30日はベラルーシのルカシェンコ大統領や、ネパールのオリ首相、パキスタンのシャリフ首相らも現地に到着しました。

31日は、ロシアのプーチン大統領が日本時間の午前10時半ごろ、天津の空港に到着しました。
プーチン大統領はレッドカーペットで中国側の歓迎を受けたあと、専用車両に乗り込み、複数の警備車両に囲まれながら空港を離れました。

また中国の習近平国家主席らは、首脳会議に先立って、各国との個別の会談にも臨んでいます。

30日は、カンボジアのフン・マネット首相、ミャンマーの軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官、それに国連のグテーレス事務総長などと会談しました。

31日は、インドのモディ首相とも会談しています。

記者解説 中国側の狙いは?

Q.中国が、ことし最も重要な首脳外交の一つと位置づける今回の首脳会議、現地の雰囲気は?

A.会場周辺は厳重な警備が敷かれ緊張感が高まっている。こちらのプレスセンターから300メートルほど離れた場所に首脳会議が開かれる会場があるが、行き来が厳しく規制され、われわれは近づくことができない。また、あすにかけてのスケジュールの詳細も今だに公表されていない。当初予定されていた個別会談の取材が突然、無くなるケースもあり、直接、取材できる機会は極めて限られているのが現状。

Q.一連の外交を通じた中国側のねらいは?

A.アメリカとの中長期的な対立を見据えて、自分たちに有利な国際秩序を築こうというねらい。中国は今回の首脳会議について創設以来、最大規模だとアピールしている。習主席は首脳会議に先立つ各国首脳との個別の会談で、多国間協力の重要性を強調。自国第一主義を掲げ保護主義的な傾向を強めるトランプ政権との違いを強く意識したものと言える。さらにトランプ政権の関税措置で揺れる新興国や途上国などグローバルサウスの国々との結束を深め、みずからの影響力を拡大させたい考え。また来月3日に北京で行われる、戦後80年にあわせた大規模な軍事パレードでは、習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、それに北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記など各国の首脳が勢ぞろいする予定。一連の行事を通じて欧米主導の国際秩序に対抗する姿勢を強く印象付けるものになりそう。

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