参院選買収疑い 店長「違法と思ったが本社の指示に従うしか」

7月の参議院選挙で、パチンコ店運営会社の代表らが比例代表で立候補した候補者に投票する見返りに、全国の店舗の店長を通じて従業員らに報酬の約束をしていた疑いで逮捕された事件で、複数の店長が警視庁などの任意の調べに対し、「違法だとは思ったが本社の指示なので従うしかなかった」などと説明していることが、捜査関係者への取材でわかりました。

警視庁によりますと、パチンコチェーンを運営する東京 港区の「デルパラ」の代表、山本昌範、本名・李昌範容疑者(50)ら会社の幹部6人は、7月の参議院選挙の選挙期間中、系列店の従業員60人に対し、自民党の比例代表で立候補していた候補に投票する見返りに、1人3000円から4000円の報酬を支払う約束をしたとして、公職選挙法違反の買収の疑いが持たれています。

逮捕された幹部らは、全国の店舗の店長を集めたウェブ会議を開いて、従業員に投票を依頼するよう指示していたということですが、警視庁などの任意の調べに対し、複数の店長が「違法だとは思ったが、本社の指示なので従うしかなかった」などと説明していることが、捜査関係者への取材でわかりました。

警視庁などの合同捜査本部は、従業員ら250人以上に対して、組織的な買収を行っていた疑いがあるとみて、実態の解明を進め、店長や従業員らについても、公職選挙法違反の疑いで調べています。