カンボジア拠点特殊詐欺 日本各地から“金が稼げる”と勧誘か
カンボジアの拠点で特殊詐欺に関与したとして逮捕された日本人29人は、日本国内にいるリクルーター役から金が稼げるなどと勧誘され、全国各地から集められていた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。拠点では中国人の管理下でお互いを偽名で呼び合っていたということで、警察が詳しい経緯を調べています。
いずれも住居・職業不詳の大坪裕介容疑者(35)や比嘉正良容疑者(29)ら19歳から52歳までの日本人の男女29人は、ことし5月、カンボジア北西部の都市ポイペトにある拠点から東京の64歳の男性に警察官などを名乗ってうその電話をかけ、現金をだまし取ろうとしたとして詐欺未遂の疑いで20日、警察に逮捕されました。
捜査関係者によりますと、29人は日本国内にいるリクルーター役の人物から金が稼げるなどと勧誘されて全国各地から集められていた疑いがあるということです。
そして、カンボジアの拠点では中国人の管理下でお互いを偽名で呼び合い、数人ごとのチームに分かれて、朝から晩までうその電話をかけていたとみられるということです。
また、警察が29人の渡航歴を調べたところ、出国の時期は1年以上前から数週間前とまちまちで、海外の詐欺拠点を転々としていたとみられる容疑者もいたということです。
警察は、29人がどのように勧誘され拠点に集められたかなど詳しい経緯を調べ、詐欺グループの実態解明を進めることにしています。