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福島第一原発 核燃料デブリの本格的な取り出しへ ロボット調査

福島第一原発

福島第一原子力発電所の廃炉作業で最大の難関とされる溶け落ちた核燃料デブリの本格的な取り出しに向け、東京電力は19日、3号機の原子炉建屋で遠隔操作のロボットを使った調査を始めました。

福島第一原発の事故で、1号機から3号機には溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った核燃料デブリが合わせて880トンあると推計され、去年11月には2号機で初めて0.7グラムの核燃料デブリが試験的に取り出されました。

こうした核燃料デブリの分析などを行ったうえで、政府と東京電力は3号機から本格的な取り出しを始める方針を示していて、この準備として東京電力は、19日正午すぎから3号機の原子炉建屋の調査を始めました。

東京電力によりますと、調べるのは1階にある格納容器の貫通口がある部屋で、9年前の調査では1時間当たり最大で80ミリシーベルトの高い放射線量が確認されています。

今回の調査では、核燃料デブリを取り出す機器を格納容器に入れるルートとして利用できるか検討するため、2台の遠隔操作のロボットを使い1か月ほどかけて放射線量の測定やカメラによる撮影を行うということです。

核燃料デブリの本格的な取り出しをめぐり、東京電力は先月、原子炉建屋の上部から装置を入れ核燃料デブリを砕くなどしたうえで回収する工法を示し、その準備に12年から15年程度かかるとしています。

こうした影響で現在の工程表で2030年代初頭としてきた本格的な取り出しの開始時期は、2037年度以降にずれ込むことになり、政府と東京電力が掲げる2051年までの廃炉完了が実現できるかは不透明な状況です。

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