大雨被害の各地 厳しい暑さの中 住民たちが片づけに追われる
記録的な大雨で住宅が浸水するなどの被害が出た九州の各地では、厳しい暑さの中、住民たちが汗を流しながら片づけに追われています。
一方、大雨の影響で道路が崩れた石川県の国道では、道路の復旧工事に向けた調査が進められています。
【熊本県】
《八代》保育園で職員らが片づけに追われる
広い範囲で浸水被害が起きた熊本県では、各地で真夏日となり、厳しい暑さの中、住民たちが片づけを進めています。
13日は朝から気温が上昇していて、各地で30度を超え、真夏日となっています。
浸水被害が相次いだ八代市千丁町では、厳しい暑さの中、住民たちが汗を流しながら水浸しになった家具を拭いたり、泥まみれになった畳を外に出したりと片づけを進めていました。
また、20センチほど浸水したという保育園でも、職員らが園内にたまった水をポンプを使って排水するなど再開に向けて片づけに追われていました。
「千丁みどり保育園」の今岡里美園長は「きのうまで冷房や扇風機も使えず大変でしたが、きょうは冷房が使えるようになったので、熱中症にならないよう休みながら片づけを進めています。一刻も早く保育園を再開できるように頑張りたいです」と話していました。
【福岡県】
《福津》ボランティア駆けつけ 住宅の土砂を撤去
複数の住宅に床上浸水や床下浸水の被害が出た福岡県福津市には13日、ボランティアの人たちが入り、住宅に入り込んだ土砂を撤去する作業にあたっています。
住民たちは住宅に入り込んだ土砂などを撤去する作業を続けていますが、13日は市外からボランティア12人が駆けつけました。
ボランティアの支援を受けた村田泰規さんの住宅では、リビングやキッチンに水が流れ込んできたほか、エアコンの室外機も水につかり使えない状況だということです。
13日の福津市は午前中から晴れて30度を超える厳しい暑さとなり、ボランティアの人たちはこまめに休憩や水分をとりながら作業にあたっていました。
村田さんは「自分たちだけではどうしようもなかったですが、ボランティアの人や近所の人が来てくれて、感謝の思いしかないです」と話していました。
支援に訪れたNPO法人「日本九援隊」の肥後孝さんは「予想していたよりもひどい状況でびっくりしています。少しでも早く元の生活に戻れるよう、これからも活動していきたい」と話していました。
【鹿児島県】
《霧島》復旧作業続く中 お盆のお墓参り
広い範囲で住宅が浸水するなどの被害が出た鹿児島県霧島市の墓地では、お盆を迎えて墓参りに訪れる人の姿が見られました。
今月8日に一時、大雨特別警報が発表された霧島市にある宇都墓地には、お盆を迎えて13日午前中から家族連れなどが次々と墓参りに訪れました。
霧島市では午前中から気温が30度を超え、訪れた人たちは厳しい暑さのなか、墓の周りを掃除したり、花をたむけたりしていました。
市内では記録的な大雨によって、住宅およそ400棟が浸水するなど、広い範囲で被害が出ていて、復旧作業が続けられています。
市内の70代の女性は「お墓の近くが崖になっているので大雨の影響がないか心配でしたが、無事にお参りすることができて安心しています」と話していました。
宮崎県都城市から訪れた60代の男性は「事前に通行止めがないのを確認し、車で来ることができました。お墓も被害がなくてよかったです」と話していました。
【石川県】
《七尾》車3台転落し3人けが 国道で復旧工事に向け調査
12日に大雨の影響で道路が崩れ、車3台が転落して3人がけがをした石川県七尾市の国道では、道路の復旧工事に向けた調査が進められています。
大雨の影響で七尾市中島町の国道249号は12日の早朝、片側1車線の道路が長さおよそ30メートル、高さおよそ10メートルにわたって崩れました。車3台が転落し70代の男性が骨を折る大けがをするなど、あわせて3人がけがをしました。
13日は国土交通省や県の職員らが崩れた現場の周辺で復旧工事に向けた調査を行い、写真を撮影するなどして被害の状況を確認していました。
道路を管理する中能登土木総合事務所によりますと、調査は数日にわたって行われる予定で、その結果をもとに復旧工事に着手するということです。
国道249号は崩れた現場を含めたおよそ2キロの区間で当面の間、通行止めが続けられるということです。
現場の近くに住む40代の男性は「こんなことは今までなかったのでびっくりしています。毎日のように使っている道路で、不便になので早く直ればありがたいです」と話していました。