長崎県 線状降水帯発生のおそれ 九州北部・北陸など厳重警戒を
前線の影響で、熊本県を中心に記録的な大雨となりましたが、日本海を中心に雨雲が発達し、長崎県の壱岐・対馬では非常に激しい雨が降っています。
長崎県では、このあと数時間は線状降水帯が発生するおそれがあるほか、記録的な豪雨となった九州北部や、北陸などの各地で災害の危険度が高い状態となっていて、土砂災害などに厳重な警戒を続けてください。
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気象庁によりますと前線の活動が非常に活発になり、11日、熊本県と長崎県では線状降水帯が相次いで発生し、気象庁は11日、熊本県の玉名市と長洲町などに大雨の特別警報を発表しました。
熊本県では12時間に降った雨の量が
▽玉名市で404.5ミリ
▽熊本市で365.5ミリと、
いずれも統計を取り始めてから最も多くなり、わずか半日で平年の8月1か月分の2倍前後に達しました。
前線は日本海上へ北上しましたが、この時間は長崎県の壱岐島のほか、石川県の能登地方など北陸や新潟県などで雨が強まっています。
午前4時半までの1時間には、長崎県の壱岐市で51.5ミリの非常に激しい雨が降りました。
福岡県、長崎県、山口県、石川県、それに新潟県では土砂災害の危険性が非常に高まっているとして、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。熊本県と山口県では氾濫危険水位を超えている川があります。
今後の見通し
今後の見通しです。前線は西日本の日本海側から東北付近に停滞するため、西日本から北日本の日本海側を中心に雨が強まる見込みです。
長崎県ではこのあと数時間は線状降水帯が発生し、災害の危険度が急激に高まる可能性があります。また、13日にかけては北陸や新潟県などで雨が強まるおそれがあります。
記録的な豪雨となった九州北部のほか、中国地方、北陸などの各地では災害の危険度が高まった状態となり、今後、少しの雨でも災害の危険性が高まるおそれがあります。
引き続き土砂災害に厳重に警戒するとともに低い土地の浸水や川の増水にも警戒してください。落雷や竜巻などの激しい突風、それにひょうにも注意が必要です。
《避難する際の注意点》
自治体から避難の情報が発表された際には安全な場所へ避難することが大切ですが、無理に移動するとかえって危険な場合もあります。
避難する際の注意点をまとめました。
【道路が冠水したら】
道路が冠水している場合は、足元が確認できずに転倒したり、側溝やふたが開いたマンホールに転落したりする危険があります。冠水した道路を移動するのは避けてください。
水かさが膝の高さを超えるくらいに達すると、押し流す水の力も強くなるため、歩いて逃げるのが難しくなります。
車での移動にも危険があります。浸水の深さが30センチに達するとエンジンが止まり、さらに深さが増すとドアが開けにくくなるうえ、車ごと流される場合があります。車が浸水し始めたら、すぐに外に出てください。
すでに川や用水路があふれて道路との境界がわからなくなったり氾濫した水で陥没した道路に気づかなかったりするおそれもあります。川や水路のすぐそばなどは通らないようにしてください。
【大きな河川の注意点】
長時間にわたって雨が降り続けると、上流に降った雨が下流に流れ込み、大きな川の氾濫のリスクも高まります。
大きな川で堤防が決壊して氾濫が起きると、大量の水が一気に流れ出し、住宅を押し流すほか、広い範囲が長期間浸水する危険性があります。
大きな川では、氾濫の危険性が高くなると、川を管理する国や都道府県が気象台と連携して「氾濫危険情報」を共同で発表します。この情報が出た時には、自治体などの情報に注意して、早めに避難することが重要です。
また、自分の住んでいる地域の雨量だけでなく、川の上流の雨量や水位にも注意が必要です。
【土砂災害の注意点】
土砂災害の危険性が非常に高まると、気象台と都道府県は「土砂災害警戒情報」を共同で発表します。土砂災害の危険性がある場所にいる人は、自治体の情報に注意して早めに避難してください。
土砂災害が起きる前に情報が必ず発表されるとは限りません。
土砂災害が発生する前には
▽斜面から小石が落ちてくるほか
▽斜面に亀裂ができる
▽斜面から突然水が湧き出す
▽川の水が急に少なくなる
▽「山鳴り」や「地響き」が聞こえる、
といった変化が現れる場合があります。
いつもと異なる現象に気づいた場合は、すぐに崖や斜面から離れて、安全を確保してください。必ず前兆現象があるわけではないことにも注意が必要です。
【すでに移動が危険な場合も】
避難しようとした時に、雨で周囲の状況を確認できなかったり、土砂崩れなどが発生したりして、すでに移動が危険になっている場合があります。そうした際には、建物の2階以上や崖や斜面から離れた部屋に移ることもひとつの方法です。少しでも安全な場所に移動して身の安全を確保してください。