前線の影響で記録的な大雨となった九州で、熊本県に大雨の特別警報が出されてから、18日で1週間です。九州では、これまでに7人が死亡し、1人の行方が分からなくなっているほか、住宅被害は4300棟を超えていて、住まいの確保や生活の再建などきめ細かい支援が課題となっています。 九州では、前線の影響で線状降水帯が相次いで発生し、今月8日、鹿児島県霧島市に大雨の特別警報が出され、11日には熊本県内でも7つの市と町に特別警報が発表されました。 この大雨で、これまでに7人が死亡し、県ごとの内訳は、熊本県で50代から70代の男女4人、福岡県で70代の男女2人、鹿児島県で30代の女性1人となっています。 また、熊本県で60代の男性1人の行方が分からなくなっています。 被災した住宅も相次ぎ、床上浸水や床下浸水などの被害は熊本、鹿児島、福岡の3県であわせて4300棟余りに上り、熊本県内では、17日午後3時の時点で、8つの市と町で避難所に81人が避難しています。 このうち熊本県上天草市では17日も、厳しい暑さのなか、被災した住宅を片づける作業が行われ、被災した人たちからは住まいの確保や生活再建に不安の声も聞かれました。 被災した各自治体はさらに被害の実態把握を進めていて、影響が長引くなか、被災した人たちの住まいの確保や生活の再建、心身のケアなど、きめ細かい支援が課題となっています。 被災した人たちから不安の声 今月11日の記録的な大雨で住宅の浸水被害が相次いだ熊本県上天草市では、17日も片づけの作業が続けられていて、被災した人たちからは暮らしの再建や住まいの確保などへの不安の声が上がっています。 熊本県では記録的な大雨で、これまでに住宅への浸水被害が10の市と10の町で3300棟を超え、このうち、上天草市では619棟で床上や床下の浸水被害がでています。 17日も、上天草市では厳しい暑さのなか被災した住宅の片づけが続いています。 このうち、松島町今泉地区の岡部義人さん(62)は、自宅が1階の床上まで浸水したため宿泊施設などで寝泊まりを続けながら片づけ作業に追われています。 さらに経営している理髪店も1メートル以上浸水して営業ができなくなり、今後の生活をどうしていくか不安を感じているということです。 岡部さんは「家具は全部だめになりました。理髪店が被災したため収入がない状態が続きます。いつ仕事を再開できるのかが今は一番不安です」と話していました。 また同じ地区に住む田中ゆりこさん(77)も、2階建ての自宅が床上浸水しました。 自宅は泥水が流れ込んでいて暮らすのは当面は難しいと感じていて、市内にアパートを借りて生活する予定だということです。 田中さんは「このあたりは一帯が床上浸水したためアパートを探す人も多く、住まいの確保に苦労しました」と話していました。