NATO=北大西洋条約機構の制服組のトップがNHKのインタビューに応じ、9月3日に中国で行われた軍事パレードで中国とロシア、北朝鮮が結束を印象づけたことに懸念を示したうえで、欧米や日本など価値観を共有する国々が連携して対応すべきだと訴えました。

日本を訪れているNATOの制服組トップ、ドラゴーネ軍事委員長は6日、都内でNHKのインタビューに応じました。

この中でドラゴーネ委員長は9月3日に北京で行われた軍事パレードに中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記がそろって出席し結束を印象づけたことについて、ヨーロッパとインド太平洋地域の安全保障は不可分だとの考えを示し「懸念すべきことだ」と述べました。

そのうえで「われわれは抑止力、協力関係、そして同じ志を持っているという強いメッセージを発信し、立ち向かわなくてはならない」と述べ、欧米や日本など価値観を共有する国々が連携して対応すべきだと訴えました。

またウクライナがNATOへの加盟を目指していることにロシアが強く反対し、和平に向けた進展が見られないことについては「いずれの国もどの国が友好国や同盟国で、どの国が競争相手なのか、自由に決めることができる」と述べるとともに、停戦を話し合う場ではなくウクライナとNATO加盟国との間で話し合う議題だと強調しました。

一方、ウクライナの戦況については「ロシアは払っている多大な命の犠牲に比べれば、得ている領土は小さい」と述べ、ウクライナ軍が持ちこたえているとの分析を示しました。