アメリカの複数のメディアは、NASA=アメリカ航空宇宙局の職員の2割以上にあたるおよそ4000人が退職を申し出たと伝えました。トランプ政権の連邦職員削減のための早期退職制度に応じたもので、予算の削減などと相まって宇宙開発への影響が懸念されています。
アメリカのCBSテレビなど複数のメディアは、27日までにNASA=アメリカ航空宇宙局の職員、およそ1万8000人の2割以上にあたる3870人ほどが退職を申し出たと伝えました。
トランプ政権の連邦政府職員削減のための7月25日が締め切りだった早期退職制度に応じたものだということです。
また、トランプ政権は政府の支出を徹底的に減らす方針をかかげていて、NASAの予算についても、2025年10月から始まる新年度の予算要求で前の年度より24%減らすとしていました。
NASAの職員らおよそ360人は今月21日、予算削減に反対する公開書簡「ボイジャー宣言」を出していました。
書簡では「この6か月間、急速でむだな変更によってNASAの使命は損なわれ、労働力に壊滅的な影響が生じた」と訴えています。
多くの職員の退職や予算の削減で今後のアメリカの宇宙開発への影響が懸念されています。
NASA 長官人事の混乱も
NASAをめぐってはトップ人事の混乱も起きています。
トランプ大統領はNASAの長官について、イーロン・マスク氏が率いる民間企業の宇宙船で宇宙での「船外活動」を行った、実業家のアイザックマン氏を起用すると発表したものの、その後撤回しました。
7月9日にはダフィー運輸長官が暫定的に兼務すると発表しましたが、実質的に長官不在の状況が続いています。