ドクターヘリ 運航会社の整備士不足で休止も 救急搬送に影響 2025年8月31日 6時11分 医療・健康 1分1秒を争う救急の現場に影響が出ています。関西地方や東京などの病院を拠点とするドクターヘリが運航会社の整備士不足が原因で、7月から運航が休止し、運航ができない地域では離れた場所でも救急車で向かったり、別の地域のヘリに出動を依頼したりせざるをえない事態が起きています。 ドクターヘリは救急医療に使う機器や薬を備え、同乗した医師や看護師が初期治療にあたるなどして患者の救命率の向上や後遺症の軽減などにつなげるなど1分1秒を争う救急の現場を支えています。 国の研究班などが作った運航基準では、操縦士の補佐を行うために整備士を配置することが定められていますが、関西地方や東京など、9つの都府県の病院を拠点とするドクターヘリは、運航会社の整備士不足が原因で7月から8月にかけて最大で1週間運航ができなくなっていました。 このため、運航を休止した地域で救急搬送に影響が出ていたことが分かりました。 このうち関西圏の自治体などで作る「関西広域連合」によりますと、1府6県の病院を拠点とするドクターヘリ8機が休止し、本来はドクターヘリで向かう離れた場所からの要請に救急車での対応を余儀なくされたケースがありました。 また、「関西広域連合」が自治体に聞き取ったところ、別の地域のヘリに出動を要請せざるをえなかったケースも16件あったということです。 関西広域連合や病院によりますと、運航会社からは整備士が足りない状況は変わっていないと説明を受けているということで、9月の運航については調整を続けているということです。 運航を委託されている神戸市の「ヒラタ学園」は「関係者や地域住民にご迷惑をおかけし、事態を重く受け止めています。しっかりと人員の確保を行い、継続した運航ができるよう全力で取り組んでまいります」とコメントしています。 運航休止した病院と休止期間 運航を休止したのは、9つの都府県の10の病院を拠点とするドクターヘリです。 7月は、▽和歌山県の和歌山県立医科大学附属病院で9日~15日、▽滋賀県の済生会滋賀県病院で10日~13日、▽奈良県の奈良県立医科大学附属病院で16日~22日です。 ▽鳥取県の鳥取大学医学部附属病院で22日~28日、▽大阪府の大阪大学医学部附属病院で24日~30日まで運航を休止しました。 また、8月は▽兵庫県の公立豊岡病院で5日~11日まで、▽徳島県の徳島県立中央病院で18日~24日まで、▽兵庫県の県立加古川医療センターで19日~22日まで、▽長崎県の長崎医療センターで23日と27日~29日、▽東京都の杏林大学医学部付属病院で7日~10日と24日~26日まで運航を休止しました。 運航休止の病院での影響は…