
大阪の製薬会社が開発しているiPS細胞を使ったパーキンソン病の治療について、アメリカでの治験で1例目となる患者に細胞が移植されたことがわかりました。国内ではこの治療の治験は終わり、会社は製造・販売の承認申請の準備を進めていて、海外でも実用化が進むか注目されます。
大阪に本社がある製薬会社「住友ファーマ」はパーキンソン病の患者の脳にiPS細胞から作り出した細胞を移植する治療の開発を進めていて、国内に加え、海外での実用化を目指してアメリカで治験を行うとおととし発表していました。
会社によりますと、先月、大阪の施設で作った細胞を生きたままこん包して航空機などでおよそ23時間かけてアメリカ カリフォルニア州の大学病院に運び、日本時間の先月25日、治験の1例目となる患者への移植が行われたということです。
会社によりますと、iPS細胞から作られた細胞を日本から海外に運び、患者に移植したのは初めてとみられるということです。
国内ではこの治療の治験は終わっていて、会社は今後、国に製造・販売の承認申請を行うとしています。
アメリカの患者は日本の3倍以上となるおよそ100万人とされていて、市場規模の大きい海外でも実用化が進むか注目されます。
住友ファーマ再生・細胞医薬推進室の吉田賢司室長は「この治療法を多くの関係者と一緒に作り上げ世界中の患者に一日でも早く届けられるよう努力したい」と話していました。
今回の治験は7人の患者に治療を行う計画で、さらに多くの患者を対象にした治験を実施したうえでアメリカでの承認申請を目指すとしています。