ソニーは、交通系ICカードなどに幅広く使われている高速データ通信の技術をめぐり、2017年以前に出荷された一部のチップにセキュリティーのぜい弱性が見つかったと明らかにしました。サービスを提供する事業者とともに、安全性の確認や対策の検討を進めるとしています。

ソニーが開発した「フェリカ」は、専用のICチップを搭載したカードやスマートフォンをかざすだけで高速データ通信ができる技術で、「Suica」や「PASMO」などの交通系ICカードや、「楽天Edy」や「nanaco」などの電子マネーの決済のほか、社員証や学生証などにも幅広く採用されています。

ソニーによりますと、2017年以前に出荷された一部のICチップについて、先月下旬、独立行政法人の「情報処理推進機構」を通じて外部からセキュリティーのぜい弱性があるという指摘が寄せられました。

これを受けて会社で調査を進めたところ、データが第三者に読み取られたり、改ざんされたりするおそれがあることが確認されたということです。

ソニーは「セキュリティーはICチップだけでなく、サービスごとにシステム全体で構築されている」とコメントしています。

そのうえで、サービスを提供する事業者とともに、安全性の確認や対策の検討を進めるとしています。