アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の理事に、トランプ大統領に近いスティーブン・ミラン氏を充てる人事が連邦議会上院で承認されました。ミラン氏は16日から開かれる金融政策を決める会合に出席する見通しで、FRBに対するトランプ大統領の影響力が強まる可能性があります。
トランプ大統領は、任期途中で辞任したFRBのクグラー理事の後任に、ホワイトハウスで大統領に経済政策を助言する経済諮問委員会のスティーブン・ミラン委員長を指名しました。
この人事案について、連邦議会上院は15日、賛成多数で承認しました。
任期は来年1月までとなります。
ミラン氏は投資会社などでの勤務をへて、トランプ政権の1期目には財務省の上級顧問を務めるなど、トランプ大統領の側近の1人と言われています。
ただ、政権の役職を辞任せずにFRB理事に就任することに対して、野党・民主党の議員などからは中央銀行の独立性を脅かすものだとの批判も出ています。
FRBは16日から2日間、金融政策を決める会合を開きますが、ミラン氏はこの会合に出席する見通しです。
ミラン氏の理事就任によって、これまで利下げを強く求めてきたトランプ大統領のFRBへの影響力が強まる可能性があります。
一方、トランプ大統領が8月、住宅ローンをめぐる不正があったとしてFRBのクック理事を解任すると明らかにしたことをめぐり、連邦控訴裁判所が15日、解任を一時的に差し止めるとする連邦地方裁判所の判断を支持したと欧米メディアが伝えました。
クック理事の解任をめぐっては連邦最高裁判所まで争われる可能性が高いとみられています。