EU=ヨーロッパ連合のカラス上級代表がNHKの単独インタビューに応じ、ウクライナ情勢をめぐって「アメリカとともにウクライナを支援するなどというサインを送れば、ロシアの計算も変わるだろう」と述べ、ロシアへの圧力について検討を始めたアメリカのトランプ政権と連携を強化し、ロシアを停戦に追い込んでいきたい考えを示しました。

EUの外相にあたるカラス上級代表は16日、ベルギーの首都ブリュッセルで、NHKの単独インタビューに応じました。

この中でカラス氏は、アメリカのトランプ大統領が、NATO=北大西洋条約機構の加盟国を通じてウクライナに兵器を供与することなどを発表したことについて「前向きなサインだ」と評価した上で、ロシアへの圧力について検討を始めたことに関しては「アメリカがさらに制裁を強化するか、関税を引き上げることで、この戦争の資金源が断たれるよう期待している」と述べました。

そして「アメリカとともにウクライナを支援するなどというサインを送れば、ロシアの計算も変わるだろう」と述べ、トランプ政権と連携を強化し、ロシアを停戦に追い込んでいきたい考えを示しました。

一方、カラス氏をめぐっては、今月2日に会談した中国の王毅外相がカラス氏に対し、アメリカの関心が中国に向いてしまうため、ロシアがウクライナとの戦争に負けることは容認できないなどとする趣旨の発言をしたと、アメリカのメディアなどが報じています。

これについてカラス氏は「驚いた」と述べ、こうした発言があったと認めた上で、中国に対し、軍事目的にも転用できる部品などをロシアに供給しないよう働きかけを強化する考えを示しました。

また、日本とEUの関係については「ほぼすべての問題に対して考え方を共有するパートナーだ」と述べ、さらなる連携強化の必要性を訴えました。