安倍元首相銃撃事件から3年 被告の裁判 来年1月ごろ判決で調整 | NHK
2025年7月8日 5時27分 安倍晋三元首相 銃撃 安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃撃された事件から8日で3年となります。殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の裁判はことし10月に始まり、関係者によりますと、来年1月ごろに判決を言い渡す方向で調整が進められているということです。 3年前の7月8日、奈良市の大和西大寺駅前で参議院選挙の応援演説をしていた安倍元総理大臣が銃撃されて死亡した事件では、無職の山上徹也被告(44)が殺人や銃刀法違反などの罪で起訴されています。 現場には6日、献花台が設置され、7日も多くの人が花を手向けていました。 奈良市に住む70代の男性は「3年という月日は長いようで短く感じる。裁判では真相を究明してほしい」と話していました。 また、近くに住む30代の女性は、「山上被告はなぜ事件を起こそうと思ったのか、裁判で明らかにしてほしい」と話していました。 捜査関係者によりますと、山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述していたということです。 奈良地方裁判所によりますと、山上被告の裁判をめぐってはこれまで7回にわたり争点などを整理する「公判前整理手続き」が行われ、初公判がことし10月28日に開かれることが決まっています。 関係者によりますと、山上被告側は殺人罪の成立については争わない方針で、被告の境遇を含めて刑の重さが裁判の焦点になる見通しです。 来年1月ごろに判決を言い渡す方向で調整が進められているということです。 “旧統一教会の影響” “刑の重さ” 焦点か ことし10月28日に始まる山上徹也被告の裁判では、被告本人が事件の背景や旧統一教会の影響についてどのように語るか、裁判所が銃刀法違反の成立も含めて刑の重さをどう判断するかが焦点となりそうです。 山上被告は捜査段階の調べに対し、母親が多額の献金をしていた旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述したことが明らかになっていますが、公の場でみずから語るのは裁判が初めてで、発言が注目されます。 被告の弁護団は殺人罪の成立については争わない方針で、宗教学者を被告に複数回面会させるなどして、事件への教団の影響を刑の重さに考慮すべきだと主張するとみられます。 また、これまでの公判前整理手続きでは事件に使われた手製の銃が銃刀法の「拳銃等」にあたり、「発射罪」が適用されるかが争点に挙がっていて、こうした点も刑の重さに影響するとみられます。…