小泉農林水産大臣は、韓国で開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議に出席し、気候変動や食料価格の高騰などのリスクが高まる中、食料を安定して確保するために一層協力するよう呼びかけました。

10日、韓国のインチョン(仁川)で開かれたAPECの食料安全保障担当の閣僚会議には、21の国と地域の代表が集まり、日本からは小泉農林水産大臣が出席しました。

この中で小泉大臣は、気候変動やそれに伴う食料価格の高騰などのリスクが高まる中、日本としては情報通信を活用したスマート農業技術を通じ、農業の生産性の向上に取り組んでいることなどを紹介しました。

そのうえで「農業・食料システムの変革には万能な解決策はない。それぞれの取り組みや望ましい未来を共有することが危機に強く持続可能なシステムを構築することになる」と述べ、参加する国と地域が食料を安定して確保するために、一層協力するよう呼びかけました。

会議では、先進的な農業技術についての知識を共有することに加えて、食料の安定供給のために貿易の重要な役割を認識することなどを盛り込んだ共同声明を採択しました。

閉幕後、小泉大臣は「持続可能な農業・食料システムの将来に向けて、イノベーション推進の観点から議論を交わすことができ大変有意義だった」と述べました。

11日、小泉大臣は、韓国のチョ・ヒョン(趙顯)外相らと会談し、韓国が続けている日本産水産物の輸入規制の撤廃を求めることにしています。