ANAホールディングスのことし6月までの3か月間の決算は、インバウンド需要に加え日本から海外に向かう便の利用客も増えたことなどから、この時期としては売り上げが過去最高となりました。

ANAホールディングスが29日発表した、ことし4月から6月までの3か月間のグループ全体の決算は、売り上げが5487億円で前の年の同じ時期と比べて6.2%増え、この時期としては過去最高となりました。

一方、前の年の同じ時期よりも円相場が円高水準となったことで外貨預金の評価額が減り、最終的な利益は7.1%減少して229億円となりました。

売り上げが伸びたのは、海外からのインバウンド需要に加えて、コロナ禍以降伸び悩んでいた日本から海外に向かう便の利用客が増えたためで、国際線の旅客数は9.6%増加しました。

ただ、国内線については、旅客数は増えたもののビジネスの出張需要は依然として弱く、コロナ禍の前の7割程度の水準にとどまっています。

ANAホールディングスの中堀公博グループCFOは会見で「人件費が増加し、整備費も高止まりしているので国内線の収支が非常に厳しい状況だ。国内線の路線維持に向けた国の有識者会議の議論にも注目していきたい」と述べました。