生成AI・人工知能

足跡やふんなどの「痕跡」の画像から、どの動物のものかを推定するAIモデルを大阪大学大学院などの研究グループが開発しました。グループではデータを増やすなどして、将来的に野生動物の生息状況の調査に活用していきたいとしています。

このAIモデルは、大阪大学大学院の篠田理沙特任助教と産業技術総合研究所人工知能研究センターの片岡裕雄上級主任研究員の研究グループが共同で開発し、動物が残した足跡やふん、それに羽や骨などの「痕跡」の画像から、どの種のものかを推定することができます。

AIには、哺乳類や鳥類など968種およそ16万件の痕跡情報を学習させていて、例えば山林に落ちている羽の画像を撮影して調べると、形や模様、色などをもとに、65%以上の精度で鳥の種類を識別できるということです。

現状では、データが少ない希少種や、判別が難しい足跡などの識別精度が低いといった課題があるということで、グループでは、追加のデータを収集して精度を向上させ、将来的な実用化に向けて研究を進めていくことにしています。

篠田特任助教は「専門家でない人でも、写真を撮るだけで簡単に自動で動物の種を判定できます。地元の人などが山にでかけたときに利用してもらうことで、動物の生息状況が分かる手がかりになるかもしれないと考えています」と話していました。