
7月に行われた参議院選挙で、比例代表で立候補した候補者に投票する見返りに報酬を支払う約束をしたとして、パチンコ店運営会社の代表ら6人が公職選挙法違反の買収の疑いで逮捕されたことが捜査関係者への取材でわかりました。全国の系列店舗の店長を通じて、従業員250人以上に報酬の約束をしていた疑いがあり、警視庁などが合同捜査本部を設置して詳しく調べています。
逮捕されたのはパチンコチェーンを運営する東京 港区の「デルパラ」の代表、山本昌範こと李昌範容疑者(50)と、営業本部長の湯浅一行容疑者(46)、それに管理本部長の小西悌之容疑者(44)らいずれも会社の幹部6人です。
捜査関係者によりますと、7月の参議院選挙で選挙期間中の7月上旬から中旬にかけて、系列のパチンコ店の従業員60人に対し、自民党の比例代表で立候補していた、阿部恭久候補に投票する見返りに、1人当たり3000円から4000円の報酬を支払う約束をしたとして公職選挙法違反の買収の疑いがもたれています。
逮捕された幹部らは、ウェブ会議を開いて、全国の店舗の店長らに指示して各店舗の従業員に投票を依頼し、従業員に投票用紙の写真を撮影させ各店長に報告させていたとみられています。
ホームページなどによりますと、会社は東京や鹿児島など1都7県に31店舗を運営していて、警視庁や鹿児島県警などの合同捜査本部は250人以上に報酬の約束をしていた疑いがあるとみて従業員らから事情を聴くなどして詳しく調べています。
この候補は全国のパチンコ店でつくる業界団体の理事長を務めていて、8万8000票余りを獲得しましたが落選しています。