韓国 ユン前大統領を再逮捕 特殊公務執行妨害などの疑い

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韓国での「非常戒厳」について、政府から独立して捜査する特別検察官は10日未明、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領を特殊公務執行妨害などの疑いで逮捕しました。
ユン前大統領はことし3月に釈放されていましたが、再び身柄を拘束されました。

去年「非常戒厳」を宣言して罷免された、韓国の前大統領ユン・ソンニョル被告は、内乱を首謀した罪でことし1月に逮捕・起訴されたあと、ことし3月に釈放され、在宅の状態で刑事裁判が行われています。

一方、ユン政権を非難してきたイ・ジェミョン(李在明)大統領が就任した先月には国会での審議を経て特別検察官が任命され、政府から独立して捜査が始まりました。

特別検察官は、ユン前大統領がことし1月、自身の拘束を阻止するよう大統領警護庁に指示したなどとして特殊公務執行妨害などの疑いで捜査していて、今月6日に逮捕状を請求していました。

そして、裁判所は本人出席のもと審査した結果、証拠隠滅のおそれがあるとして10日未明、逮捕状を出したと発表し、ユン前大統領は逮捕されました。

ユン前大統領側は「政治的な目的に基づく誤った捜査だ」と容疑を否認しています。

ユン氏をめぐっては、このほかにも「非常戒厳」の理由を作るため、去年10月、北朝鮮に無人機を送るよう軍に指示し、外国からの攻撃を誘発しようとした疑いも報じられていて、特別検察官は捜査をさらに加速する見通しです。