悪石島 住民を診察の医師「ストレスで腹痛や吐き気の症状も」 | NHK

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悪石島 住民を診察の医師「ストレスで腹痛や吐き気の症状も」

地震

鹿児島県十島村の悪石島で地震が続く中、現地に入って診療にあたった医師は、揺れに対する恐怖に加え、経済的な不安もストレスとなり、腹痛や吐き気などの身体症状が出始めているとして、心のケアや経済的な支援の必要性を指摘しました。

活発な地震活動が続く十島村の悪石島では、住民の島外への避難が行われる一方で、仕事などの事情でいまも20人の住民が島に残って生活しています。

奄美大島にある県立大島病院の山田直樹医師は、今年4月から月2回、悪石島や小宝島などで巡回診療を行っていて、8日までの3日間、悪石島を訪れ、住民の診療や健康相談にあたりました。

山田医師によりますと、診療した住民の大半が揺れに対する恐怖に加え、民宿や漁など本来の仕事ができないため、先行きが見えない経済的な不安を訴えていて、中には睡眠不足や食欲の低下、それにストレスから来る腹痛や吐き気などを訴える住民もいたということです。

山田医師は「精神的な不安が身体症状にも出始めている。今は興奮状態になっている人もいるが、今後も地震が続けばやる気がなくなったり食欲が落ちたりするなどの『抑うつ傾向』に陥るリスクもあるので心配だ。生活面の不安を訴える住民も多く、今後は経済的な支援も必要になってくると思う」と述べました。

そのうえで「今回、話を聞くだけでもかなりストレスが緩和されたように感じたので、今後も巡回診療を続け住民の不安に寄り添っていきたい」と述べました。

十島村 震度1以上の地震 1720回(9日午前11時まで)

8日午後5時時点のグラフです(8日作成)

鹿児島県のトカラ列島の悪石島や小宝島付近では、6月21日から地震活動が活発になり、これまでに悪石島で最大震度6弱の揺れを観測しています。

7月6日には悪石島で震度5強の揺れを観測する地震が2回相次いで発生し、7日にはマグニチュード5.1の地震が起きて悪石島で震度5弱の揺れを観測しました。

活発な地震活動は続いていて、震度1以上の揺れを観測する地震が、7日は60回、8日は39回発生し、9日午前11時の時点で1720回にのぼっています。

トカラ列島近海では2023年や2021年にも活発な地震活動がありましたが、今回の地震の回数は過去のケースを大きく上回っています。

気象庁は、震源が浅く、観測点に近いと震度が大きくなるとして、当面、最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

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