
トランプ氏 “相互関税の一時停止期限 さらなる延長認めない”
アメリカのトランプ大統領は、SNSで、来月1日に延長した相互関税の一時停止の期限について、さらなる延長は認めない考えを示しました。

7日、トランプ大統領は9日に迫っていた相互関税の一時停止の期限を来月1日に延長する大統領令に署名するとともに、日本を含むあわせて14か国に対して新たな関税率を通知する書簡を公表しました。
日本からの輸入品に対しては来月1日から25%の関税を課すとしています。
これについて、トランプ大統領は8日、自身のSNSへの投稿で、今後も各国への書簡の送付が続くとした上で、関税の徴収はいずれも来月1日に始まると強調しました。
その上で「この日付に変更はない。延長は一切認められない」として、相互関税の一時停止の期限のさらなる延長は認めない考えを示しました。
トランプ大統領は7日に記者団から「来月1日の期限は確定しているのか」と問われたのに対し「確定していると言えるが、100%ではない」と述べて、期限を再び見直す可能性を示唆したと受け取れる発言をしていました。
トランプ大統領としては、期限は延長しないと強調することで、交渉を続ける各国に対し新たな提案を早期に示すよう迫るねらいがあるとみられます。
米財務長官 万博参加のため来週 訪日

アメリカの財務省は8日、ベッセント長官がアメリカ代表団の一員として大阪・関西万博に参加するため、来週、日本を訪れると明らかにしました。
関西万博では、参加する国や地域に1日ずつ「ナショナルデー」が割り当てられていて、ベッセント長官は今月19日のアメリカの「ナショナルデー」に合わせて訪れるということです。
ベッセント長官は、トランプ政権の関税措置をめぐる日本との交渉を主導しています。
アメリカメディアのブルームバーグは、貿易をめぐる公式の協議は予定されていないと伝えていますが、来月1日の期限が迫る中での訪日となるだけに日米の閣僚交渉が行われるか注目されます。
政府 意思疎通重ね合意へ打開策見いだしたい考え

石破総理大臣は8日の政府の対策本部の会合で「日米双方が折り合えない点が残っており、残念ながら合意に至っていない。これは安易な妥協を避け、求めるべきものは求め、守るべきものは守るべく、厳しい協議を続けてきたからだ」と述べました。
そのうえで「アメリカ政府が追加関税に加え関税率の引き上げを発表したことは誠に遺憾だ」と述べ、国益を守りながら双方の利益となる合意の実現に向けて交渉を続けるよう閣僚に指示しました。

これを受けて赤澤経済再生担当大臣はラトニック商務長官、ベッセント財務長官と相次いで電話で会談し、精力的に協議を続けていくことで一致しました。
政府内からは「高い関税率が示されず安堵している」といった受け止めの一方、「トランプ大統領の出方が読めず厳しい交渉が続く」という見方が出ています。
政府はトランプ大統領が今後の交渉次第で書簡の内容を見直す可能性を示唆していることから、歩み寄りの余地はあるとしてあらゆるレベルで意思疎通を重ね合意に向けた打開策を見いだしたい考えです。