戦後80年のことし、NHKは先の戦争や安全保障などに関する世論調査を行いました。先の戦争を体験した人は1割を下回り、戦争の記憶や教訓をどのように受け継いでいくかが大きな課題となっています。
調査は、ことし5月から7月にかけて全国の18歳以上の3600人を対象に調査票を郵送する形式で行い、55.3%にあたる1989人から回答を得ました。
【先の戦争について】
先の戦争についての調査結果です。

▼先の戦争を体験したか聞いたところ、▽「体験した」が6%、▽「体験していない」が93%でした。
▼先の戦争の体験者から、直接、戦争の体験を聞いたことがあるか尋ねたところ、▽「聞いたことがある」が58%、▽「聞いたことはない」が40%でした。
▼また、「聞いたことがある」と答えた人に誰から戦争の体験を聞いたか複数回答で尋ねたところ、▽「親や祖父母などの親族」が86%、▽「学校や仕事の関係者」が20%、▽「戦争体験を語り継ぐ活動をしている人」が19%、▽「近所や地域の知り合い」が14%でした。
▼「先の戦争は、アジア近隣諸国に対する日本の侵略戦争だった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が35%、▽「そう思わない」が16%、▽「わからない」が48%でした。
▼「先の戦争は、資源の少ない日本が生きるためのやむを得ないものだった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が14%、▽「そう思わない」が39%、▽「わからない」が47%でした。
▼「先の戦争は、欧米諸国の植民地だったアジア諸国の独立回復を早めたのであり、評価すべきだ」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が12%、▽「そう思わない」が37%、▽「わからない」が51%でした。
▼「日本だけでなく欧米諸国もアジアを植民地支配したのだから、日本だけが反省する必要はない」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が28%、▽「そう思わない」が35%、▽「わからない」が36%でした。
▼「いかなる理由があったとしても、アメリカとの戦争は避けるべきだった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が62%、▽「そう思わない」が8%、▽「わからない」が30%でした。
▼先の戦争について、当時の一般国民の戦争責任をどのように考えるか聞いたところ、▽「当時の国民は、政府や軍部によって起こされた戦争の被害者であり、責任はない」が48%、▽「当時の国民は、政府や軍部に結果的に協力したという意味では加害者であり、責任がある」が17%、▽「そもそも日本に戦争責任はなく、被害者だ、加害者だというような問題ではない」が6%、▽「わからない」が24%でした。
▼先の戦争で日本が行った行為に関し、戦後に生まれた世代の責任についての考えを聞いたところ、▽「世代が違うのだから、引き継ぐ必要はない」が18%、▽「世代が違っても、引き継ぐべきだ」が35%、▽「そもそも引き継ぐべき責任がない」が14%、▽「わからない」が26%でした。
▼原爆の被害や被爆者の実情は、世界にどの程度伝わっていると思うか聞いたところ、▽「十分に伝わっている」が4%、▽「ある程度伝わっている」が35%、▽「あまり伝わっていない」が55%、▽「まったく伝わっていない」が5%でした。

▼戦争を体験していない世代に、戦争の歴史がどの程度継承されていると思うか聞いたところ、▽「十分に継承されている」が1%、▽「ある程度継承されている」が28%、▽「あまり継承されていない」が64%、▽「まったく継承されていない」が6%でした。
▼先の戦争を体験した人が年々少なくなっていることが歴史の継承にどの程度影響があると思うか聞いたところ、▽「大いにある」が38%、▽「ある程度ある」が48%、▽「あまりない」が12%、▽「まったくない」が1%でした。
▼戦争の歴史を後世に伝えるうえで、どのようなことやものが重要だと思うか複数回答で聞いたところ、▽「当時の写真や映像」が87%、▽「戦争体験者の証言」が63%、▽「当時の状況を記した文書」が61%、▽「戦争の遺跡(戦跡)」が46%、▽「戦争体験者の遺品や所持品」が39%などでした。
▼戦争の歴史を後世に伝えていくために、どのような方法がよいと思うか複数回答で聞いたところ、▽「学校教育を通じて教える」が69%、▽「テレビ・ラジオ番組を放送する」が57%、▽「資料館や博物館などで展示する」が54%、▽「漫画やアニメを作って伝える」が39%、▽「体験を引き継ぐ、『語り部』が伝える」が36%、▽「インターネットやSNSで情報を発信する」が35%、▽「映画を上映する」が30%などでした。
【憲法・安全保障】
憲法や安全保障に関する質問で
▼今の憲法について、どのような考えを持っているか尋ねたところ、▽「ほぼ理想的なもので、社会にも定着している」が17%、▽「ほぼ理想的なものだが、現実とは開きがある」が46%、▽「望ましいものではないが、社会には定着している」が18%、▽「望ましいものではないし、現実とも開きがある」が12%でした。
▼憲法を改正する必要があると思うか、改正する必要はないと思うか尋ねたところ、▽「改正する必要がある」が41%、▽「改正する必要はない」が18%、▽「どちらともいえない」が39%でした。
▼憲法9条が日本の平和と安全に、どの程度役立っていると考えるか尋ねたところ、▽「非常に役立っている」が25%、▽「ある程度役立っている」が56%、▽「あまり役立っていない」が14%、▽「まったく役立っていない」が4%でした。
▼憲法9条を改正する必要があると思うか、改正する必要はないと思うか尋ねたところ、▽「改正する必要がある」が27%、▽「改正する必要はない」が37%、▽「どちらともいえない」が34%でした。
▼日米安全保障条約が日本の平和と安全に、どの程度役立っていると思うか尋ねたところ、▽「非常に役立っている」が18%、▽「ある程度役立っている」が66%、▽「あまり役立っていない」が12%、▽「まったく役立っていない」が2%でした。
▼日米安全保障条約に基づくアメリカとの同盟関係を、今後どうしていくべきだと思うか尋ねたところ、▽「同盟関係をより強化していくべきだ」が22%、▽「現状のまま維持していくべきだ」が56%、▽「協力の度合いを今より減らしていくべきだ」が16%、▽「日米安全保障条約の解消を目指していくべきだ」が2%でした。
▼日本の防衛力をどうすべきだと思うか尋ねたところ、▽「今より増強すべきだ」が45%、▽「今のままでよい」が46%、▽「今より削減すべきだ」が6%、▽「いっさいの防衛力は持つべきではない」が2%でした。

▼現在の世界の情勢から考えて、日本が戦争や紛争に巻き込まれたり、他国から侵略を受けたりする危険性が、どの程度あると思うか聞いたところ、▽「非常に危険がある」が23%、▽「ある程度危険がある」が61%、▽「あまり危険はない」が14%、▽「まったく危険はない」が1%でした。
▼近隣諸国をめぐり、安全保障の面で脅威を感じるか、それとも感じないか聞いたところ、
中国については、▽「大いに感じる」が50%、▽「ある程度感じる」が37%、▽「あまり感じない」が10%、▽「まったく感じない」が2%でした。
韓国については、▽「大いに感じる」が7%、▽「ある程度感じる」が31%、▽「あまり感じない」が48%、▽「まったく感じない」が11%でした。
北朝鮮については、▽「大いに感じる」が56%、▽「ある程度感じる」が32%、▽「あまり感じない」が7%、▽「まったく感じない」が2%でした。
ロシアについては、▽「大いに感じる」が43%、▽「ある程度感じる」が39%、▽「あまり感じない」が13%、▽「まったく感じない」が2%でした。
▼原爆などの核兵器について、最も近い考えを聞いたところ、▽「必要な時は使用してもかまわない」が2%、▽「保有はよいが、使用すべきではない」が24%、▽「保有も使用もよくない」が74%でした。
▼日本の安全保障のために、アメリカの核抑止力に頼る「核の傘」が必要だと思うか、必要ではないと思うか尋ねたところ、▽「今も将来も必要だ」が35%、▽「今は必要だが、将来は必要ない」が19%、▽「今は必要ないが、将来は必要だ」が10%、▽「今も将来も必要ない」が34%でした。
▼日本は、核兵器を持たないことを国の方針としていますが、日本が核兵器を持つことについて、どう考えるか聞いたところ、▽「持つべきではない」が58%、▽「どちらかといえば、持つべきではない」が25%、▽「どちらかといえば、持つべきだ」が11%、▽「持つべきだ」が5%でした。
▼現在ある核兵器が今後どうなると思うか聞いたところ、▽「完全になくせる」が2%、▽「完全にはなくせないが、大幅に減る」が11%、▽「今よりは減るが、それほどは減らない」が36%、▽「今と変わらないか、むしろ増える」が49%でした。
▼近い将来、世界のどこかで核戦争が起きる危険があると思うか尋ねたところ、▽「かなりある」が22%、▽「少しある」が57%、▽「あまりない」が17%、▽「まったくない」が3%でした。
▼日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会が去年、ノーベル平和賞を受賞したことを知っていたか聞いたところ、▽「知っていた」が73%、▽「知らなかった」が26%でした。
▼日本被団協のノーベル平和賞の受賞が、世界にどのような影響を与えたと思うか複数回答で聞いたところ、▽「被爆当時の被害の大きさを世界に伝える機会になった」が64%、▽「原爆投下の影響が現在まで続いている実態を知らせる機会になった」が61%、▽「核兵器廃絶の必要性を感じさせるきっかけになった」が36%、▽「核兵器の使用を抑制するきっかけになった」が24%などでした。
▼核保有国が参加していないことなどを理由に日本が加盟していない核兵器禁止条約について、日本はどう対応すべきだと思うか聞いたところ、▽「条約に加盟すべきだ」が33%、▽「条約には加盟しないが、加盟国の会議にオブザーバーとして参加すべきだ」が34%、▽「オブザーバーも含めて参加すべきではない」が7%、▽「核兵器禁止条約は必要ない」が3%、▽「核兵器禁止条約のことは知らない」が17%などでした。
【戦後の日本社会】
今回の世論調査では、戦後の日本社会や暮らしについても聞きました。
この中で▼戦後の80年は、全体としてどんな時代だったと思うか尋ねたところ、▽「よい時代だった」が16%、▽「どちらかといえば、よい時代だった」が71%、▽「どちらかといえば、よくない時代だった」が10%、▽「よくない時代だった」が2%でした。
▼生活がここ2、3年の間で、どのように変わったか聞いたところ、▽「とてもよくなった」が2%、▽「少しよくなった」が7%、▽「変わらない」が42%、▽「少し悪くなった」が35%、▽「とても悪くなった」が12%でした。
▼10年後の生活がどのようになっていると思うか尋ねたところ、▽「とてもよくなっている」が3%、▽「少しよくなっている」が11%、▽「変わらない」が29%、▽「少し悪くなっている」が38%、▽「とても悪くなっている」が17%でした。
▼今の日本の社会に満足しているか、それとも不満か尋ねたところ、▽「満足している」が4%、▽「どちらかといえば、満足している」が32%、▽「どちらかといえば、不満だ」が45%、▽「不満だ」が17%でした。
▼「国民の期待や要求は、今の政治に反映されていない」という考え方について、どう思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が43%、▽「どちらかといえば、そう思う」が36%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が13%、▽「そう思わない」が5%でした。
▼「選挙によって、政治は変えられる」という考え方について、どう思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が13%、▽「どちらかといえば、そう思う」が29%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が29%、▽「そう思わない」が28%でした。
▼今の日本について「経済的な格差が広がっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が60%、▽「どちらかといえば、そう思う」が33%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が4%、▽「そう思わない」が1%でした。
▼今の日本について「違う意見を認めない社会になっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が18%、▽「どちらかといえば、そう思う」が43%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が28%、▽「そう思わない」が8%でした。
▼今の日本について「他人の非を責めたてる人が多くなっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が41%、▽「どちらかといえば、そう思う」が41%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が12%、▽「そう思わない」が4%でした。
▼今の日本について「将来に希望が持てない社会になっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が34%、▽「どちらかといえば、そう思う」が44%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が15%、▽「そう思わない」が4%でした。
▼今の日本について「国際的な地位が低下している」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が42%、▽「どちらかといえば、そう思う」が38%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が13%、▽「そう思わない」が4%でした。
▼今後の日本が重点をおいて取り組むべきことは何だと思うか複数回答で尋ねたところ、▽「少子化対策」が71%、▽「超高齢社会への対応」が66%、▽「経済の活性化」が62%、▽「防災・減災の強化」が47%、▽「教育の充実」が44%、▽「地球温暖化の防止」が42%、▽「安全保障の強化」が38%、▽「地域社会の活性化」が36%、▽「財政赤字の削減」が36%、▽「エネルギー政策」が33%、▽「科学技術への投資」が31%、▽「文化の継承と発展」が26%、▽「多様性・公平性の尊重」が26%、▽「その他」が5%でした。
▼日本の将来は明るいと思うか、暗いと思うか尋ねたところ、▽「明るい」が3%、▽「どちらかといえば、明るい」が30%、▽「どちらかといえば、暗い」が55%、▽「暗い」が10%でした。
【18歳以上と中高生とで回答結果に異なる傾向がみられる質問も】
今回の調査では、一部の質問について18歳以上と、中高生との間で回答結果に異なる傾向がみられるものもありました。
【先の戦争】
このうち、▼「日本だけでなく欧米諸国もアジアを植民地支配したのだから、日本だけが反省する必要はない」という意見についてどう思うか聞いたところ、◆18歳以上では▽「そう思う」が28%、▽「そう思わない」が35%だったのに対し、◆中学生と高校生では▽「そう思う」が39%、▽「そう思わない」が31%と、18歳以上と中高生とで「そう思う」と「そう思わない」と答えた人の割合が異なる結果となりました。
▼先の戦争で日本が行った行為に関し、戦後に生まれた世代の責任についての考えを聞いたところ、◆18歳以上では▽「世代が違うのだから、引き継ぐ必要はない」が18%、▽「世代が違っても、引き継ぐべきだ」が35%だったのに対し、◆中高生では▽「世代が違うのだから、引き継ぐ必要はない」が18%、▽「世代が違っても、引き継ぐべきだ」が52%と、中高生の方が「引き継ぐべきだ」と答えた人の割合が大きくなりました。
▼戦争を体験していない世代に、戦争の歴史がどの程度継承されていると思うか聞いたところ、◆18歳以上では▽「十分に継承されている」と「ある程度継承されている」が合わせて29%、▽「あまり継承されていない」と「まったく継承されていない」が合わせて70%だったのに対し、◆中高生では▽「継承されている」と▽「継承されていない」がいずれも合わせて50%ほどでした。
【戦後の日本社会】
▼今の日本の社会に満足しているか、それとも不満か尋ねたところ、◆18歳以上では▽「満足している」と「どちらかといえば、満足している」が合わせて36%、▽「どちらかといえば、不満だ」と「不満だ」が合わせて62%だったのに対して、◆中高生では▽「満足している」が合わせて59%、▽「不満だ」が合わせて40%で、18歳以上と中高生とで真逆の結果となりました。
▼「選挙によって、政治は変えられる」という考え方について、どう思うか尋ねたところ、◆18歳以上では▽「そう思う」と▽「どちらかといえば、そう思う」が合わせて41%、▽「どちらかといえば、そう思わない」と「そう思わない」が合わせて57%だったのに対し、◆中高生では▽「そう思う」が合わせて52%、▽「そう思わない」が合わせて45%で、中高生の「そう思う」という回答は、18歳以上で「そう思う」と回答した人の割合を上回りました。
▼日本の将来は明るいと思うか、暗いと思うか尋ねたところ、◆18歳以上では▽「明るい」と「どちらかといえば、明るい」が合わせて33%、▽「どちらかといえば、暗い」と「暗い」が合わせて65%だったのに対し、◆中高生では▽「明るい」が合わせて47%、▽「暗い」が合わせて51%と、中高生の方が18歳以上より「明るい」と答えた人の割合が大きくなりました。
【過去調査との比較】
NHKは戦後50年などの際にも世論調査を行っています。調査方法などが異なるため、単純な比較はできませんが、回答結果に異なる傾向がみられるものもありました。
【先の戦争】
今回、▼「先の戦争は、アジア近隣諸国に対する日本の侵略戦争だった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が35%、▽「そう思わない」が16%、▽「わからない」が48%でした。
戦後50年に合わせて1994年に面接法で行った調査では、▽「そう思う」が52%、▽「そうは思わない」が16%、▽「どちらともいえない」が15%で、調査方法などが異なるため、単純な比較はできませんが、戦後50年の調査では「そう思う」が半数を占めていた一方、今回の調査では3割台にとどまりました。
【憲法・安全保障】

今回、▼日本の防衛力をどうすべきだと思うか尋ねたところ、▽「今より増強すべきだ」が45%、▽「今のままでよい」が46%、▽「今より削減すべきだ」が6%、▽「いっさいの防衛力は持つべきではない」が2%でした。
2017年に電話で行った調査では、▽「今より増強すべきだ」が31%、▽「今のままでよい」が44%、▽「今より削減すべきだ」が9%、▽「いっさいの防衛力は持つべきではない」が8%で、単純な比較はできませんが、今回の調査では、「今のままでよい」に加えて、「今より増強すべきだ」が40%を超えました。
【戦後の日本社会】
▼今の日本の社会に満足しているか、それとも不満か尋ねたところ、▽「満足している」が4%、▽「どちらかといえば、満足している」が32%、▽「どちらかといえば、不満だ」が45%、▽「不満だ」が17%でした。
単純な比較はできませんが、どちらかといえばを含めた社会に対する満足度は、1980年代から1990年代では半数を超えていた一方、2000年代以降は4割台に下がり、今回の調査では、3割台となりました。
▼日本の将来は明るいと思うか、暗いと思うか尋ねたところ、▽「明るい」が3%、▽「どちらかといえば、明るい」が30%、▽「どちらかといえば、暗い」が55%、▽「暗い」が10%でした。
戦後50年の1995年に面接法で行った調査では、▽「明るい」が5%、▽「どちらかといえば、明るい」が40%、▽「どちらかといえば、暗い」が44%、▽「暗い」が6%で、単純な比較はできませんが、戦後50年の調査ではどちらかといえばを含めた「暗い」がおよそ半数だった一方、今回の調査では、65%を占めました。
「戦争は同時代から歴史へ 皮膚感覚で知る社会でなくなった」

昭和史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康さんは、先の戦争を体験した人が1割を下回ったことなどについて「戦争の記憶が社会全体で薄れてきており、戦争はいわゆる『同時代』の枠の中から、『歴史』へと移り、戦争というものを皮膚感覚で知る社会ではなくなったというのが数字に表れていると思う」と指摘しています。
その上で「戦争を論として論じるのではなくて、『おじいさんは日清戦争に行った、日露戦争に行った、そして傷ついて帰ってきた、その傷を背負いながら一生、生きた』とか、そういう人生を見ていくことによって、戦争を総合的に理解していくことが大事だ」と話しています。
また、安全保障をめぐる調査結果については、「世界情勢を踏まえ、戦争の時代がまた来るのだろうなと8割以上の人が思っている。国民の多くが人類史の進む方向や、核の戦争におびえているというのは注目しないといけない。核の抑止力のもとで成り立っていた平和論が全面的に崩れると感じていて、20世紀までの戦争論・平和論は、21世紀に入って練り直さなければならないと思う」指摘しています。
その上で「人類史が核戦争に向かっているのならそれをとめないといけない。これからは日本は主体的に国際社会に向かって、積極的に知恵を出していかないといけない。私たちの国が経験したことや教訓を学び、体系立てて世界に発信することが日本の役割だ。若い世代にそれを期待するし、そういうような時代にぜひなってほしいと思う」と話しています。
「世代による違いが広がる状況をどう埋めるかが重要な課題に」

日本の戦後史に詳しい立正大学名誉教授の増田弘さんは、先の戦争を体験した人が1割を下回ったことなどについて「戦争体験者がいなくなる影響は極めて大きい。若い人たちは戦争の問題に関する情報をSNSやインターネットを通じて得る傾向が強く、客観的に物事を捉えるというより娯楽の延長線上で歴史を捉えるという傾向が強まっている。これに対し、昭和世代は新聞やテレビ・ラジオを通じて現状を認識し戦争を学ぶという姿勢があり、世代による違いが広がっていく状況を今後どう埋めていくかが重要な課題になる」と指摘しています。
安全保障をめぐる調査結果については、「ウクライナやガザなど世界中で戦争や紛争が起こり、メディアを通じて日常的に知らされる中で、日本も核戦争に巻き込まれ、近い将来核戦争が起こるのではないかという危機感がかなり高まっていることがよく表れている。こうした中で防衛力を強化すべしという意見が4割ぐらいあるが、今のままでいいという意見も5割近くある。防衛力強化の意見が今後増えていく方向にあるのかそれとも変わらないのか、考え方の推移を見ていく必要がある」と話しています。
また、戦後の日本社会に関する調査結果については、「戦後の80年間は1度も戦争がない、民主主義教育によって男女平等の社会になってきていて、一定の経済的な豊かさも経験できた。そういう意味から戦後の80年を評価している。一方、将来に対しては不安があり、生活も悪くなり、相手を追い詰めるような考えや動きが増えてきている。少子化の問題に始まって、経済的格差、環境破壊もあり住みにくい社会になりつつあるという認識が広がっていることが結果にも表れている。こういう状況の中で国民の意識が極端な方向にいかないかという懸念はある」と述べました。
≪中学生と高校生の年代を対象とした調査では≫
今回は、中学生と高校生の年代を対象とした調査も行いました。調査は中学生と高校生の年齢にあたる全国の12歳から18歳の1200人を対象に調査票を郵送する形式で行い、62.2%にあたる746人から回答を得ました。
【先の戦争】(中学生・高校生)
この中で▼先の戦争の体験者から直接、戦争の体験を聞いたことがあるか尋ねたところ、▽「聞いたことがある」が28%、▽「聞いたことはない」が69%でした。
▼また、「聞いたことがある」と答えた人に誰から戦争の体験を聞いたか複数回答で尋ねたところ、▽「戦争体験を語り継ぐ活動をしている人」が52%、▽「祖父母などの親族」が34%、▽「学校や仕事の関係者」が28%、▽「近所や地域の知り合い」が4%でした。
▼「終戦の日」について日付を書いてもらったところ、▽8月15日が67%、▽8月15日以外が10%でした。
▼広島に原子爆弾が落とされた日について日付を書いてもらったところ、▽8月6日が71%、▽8月6日以外が8%でした。
▼長崎に原子爆弾が落とされた日について日付を書いてもらったところ、▽8月9日が66%、▽8月9日以外が10%でした。
▼沖縄戦での戦没者を追悼する「慰霊の日」が6月23日であることを知っているか聞いたところ、▽「知っている」が24%、▽「知らない」が75%でした。
▼「先の戦争は、アジア近隣諸国に対する日本の侵略戦争だった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が30%、▽「そう思わない」が17%、▽「わからない」が52%でした。
▼「先の戦争は、資源の少ない日本が生きるためのやむを得ないものだった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が23%、▽「そう思わない」が43%、▽「わからない」が34%でした。
▼「先の戦争は、欧米諸国の植民地だったアジア諸国の独立回復を早めたのであり、評価すべきだ」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が13%、▽「そう思わない」が40%、▽「わからない」が46%でした。
▼「日本だけでなく欧米諸国もアジアを植民地支配したのだから、日本だけが反省する必要はない」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が39%、▽「そう思わない」が31%、▽「わからない」が30%でした。
▼「いかなる理由があったとしても、アメリカとの戦争は避けるべきだった」という意見についてどう思うか聞いたところ、▽「そう思う」が61%、▽「そう思わない」が12%、▽「わからない」が27%でした。
▼先の戦争について、当時の一般国民の戦争責任をどのように考えるか聞いたところ、▽「当時の国民は、政府や軍部によって起こされた戦争の被害者であり、責任はない」が48%、▽「当時の国民は、政府や軍部に結果的に協力したという意味では加害者であり、責任がある」が18%、▽「そもそも日本に戦争責任はなく、被害者だ、加害者だというような問題ではない」が9%、▽「わからない」が20%でした。
▼先の戦争で日本が行った行為に関し、戦後に生まれた世代の責任についての考えを聞いたところ、▽「世代が違うのだから、引き継ぐ必要はない」が18%、▽「世代が違っても、引き継ぐべきだ」が52%、▽「そもそも引き継ぐべき責任がない」が11%、▽「わからない」が18%でした。
▼原爆の被害や被爆者の実情は、世界にどの程度伝わっていると思うか聞いたところ、▽「十分に伝わっている」が11%、▽「ある程度伝わっている」が43%、▽「あまり伝わっていない」が41%、▽「まったく伝わっていない」が5%でした。
▼戦争を体験していない世代に、戦争の歴史がどの程度継承されていると思うか聞いたところ、▽「十分に継承されている」が4%、▽「ある程度継承されている」が46%、▽「あまり継承されていない」が48%、▽「まったく継承されていない」が2%でした。

▼先の戦争を体験した人が年々少なくなっていることが歴史の継承にどの程度影響があると思うか聞いたところ、▽「大いにある」が44%、▽「ある程度ある」が43%、▽「あまりない」が12%、▽「まったくない」が1%でした。
▼戦争の歴史を後世に伝えるうえで、どのようなことやものが重要だと思うか複数回答で聞いたところ、▽「当時の写真や映像」が79%、▽「戦争体験者の証言」が65%、▽「当時の状況を記した文書」が56%、▽「戦争の遺跡(戦跡)」が48%、▽「戦争体験者の遺品や所持品」が44%などでした。
▼戦争の歴史を後世に伝えていくために、どのような方法がよいと思うか複数回答で聞いたところ、▽「学校教育を通じて教える」が78%、▽「資料館や博物館などで展示する」が50%、▽「漫画やアニメを作って伝える」が48%、▽「インターネットやSNSで情報を発信する」が45%、▽「テレビ・ラジオ番組を放送する」が43%、▽「映画を上映する」が38%、▽「体験を引き継ぐ、『語り部』が伝える」が32%などでした。
【憲法・安全保障】(中学生・高校生)
憲法や安全保障に関する質問で
▼今の憲法について、どのような考えを持っているか尋ねたところ、▽「ほぼ理想的なもので、社会にも定着している」が24%、▽「ほぼ理想的なものだが、現実とは開きがある」が43%、▽「望ましいものではないが、社会には定着している」が22%、▽「望ましいものではないし、現実とも開きがある」が4%でした。
▼憲法を改正する必要があると思うか、改正する必要はないと思うか尋ねたところ、▽「改正する必要がある」が31%、▽「改正する必要はない」が24%、▽「どちらともいえない」が43%でした。
▼憲法9条が日本の平和と安全に、どの程度役立っていると考えるか尋ねたところ、▽「非常に役立っている」が39%、▽「ある程度役立っている」が47%、▽「あまり役立っていない」が10%、▽「まったく役立っていない」が2%でした。
▼憲法9条を改正する必要があると思うか、改正する必要はないと思うか尋ねたところ、▽「改正する必要がある」が15%、▽「改正する必要はない」が53%、▽「どちらともいえない」が31%でした。
▼日米安全保障条約に基づいて、日本とアメリカが同盟を結んでいることを知っているか聞いたところ、▽「知っている」が86%、▽「知らない」が13%でした。
▼在日アメリカ軍の専用施設が沖縄に集中していることを知っているか聞いたところ、▽「知っている」が84%、▽「知らない」が15%でした。
▼日本の防衛力をどうすべきだと思うか尋ねたところ、▽「今より増強すべきだ」が42%、▽「今のままでよい」が52%、▽「今より削減すべきだ」が4%、▽「いっさいの防衛力は持つべきではない」が1%でした。
▼現在の世界の情勢から考えて、日本が戦争や紛争に巻き込まれたり、他国から侵略を受けたりする危険性が、どの程度あると思うか聞いたところ、▽「非常に危険がある」が22%、▽「ある程度危険がある」が60%、▽「あまり危険はない」が16%、▽「まったく危険はない」が1%でした。
▼近隣諸国をめぐり、安全保障の面で脅威を感じるか、それとも感じないか聞いたところ、
中国については▽「大いに感じる」が31%、▽「ある程度感じる」が42%、▽「あまり感じない」が23%、▽「まったく感じない」が2%でした。
韓国については▽「大いに感じる」が7%、▽「ある程度感じる」が28%、▽「あまり感じない」が50%、▽「まったく感じない」が13%でした。
北朝鮮については▽「大いに感じる」が54%、▽「ある程度感じる」が33%、▽「あまり感じない」が7%、▽「まったく感じない」が3%でした。
ロシアについては▽「大いに感じる」が31%、▽「ある程度感じる」が43%、▽「あまり感じない」が21%、▽「まったく感じない」が3%でした。
▼原爆などの核兵器について最も近い考えを聞いたところ、▽「必要な時は使用してもかまわない」が5%、▽「保有はよいが、使用すべきではない」が27%、▽「保有も使用もよくない」が68%でした。
▼日本の安全保障のために、アメリカの核抑止力に頼る「核の傘」が必要だと思うか、必要ではないと思うか尋ねたところ、▽「今も将来も必要だ」が36%、▽「今は必要だが、将来は必要ない」が17%、▽「今は必要ないが、将来は必要だ」が12%、▽「今も将来も必要ない」が34%でした。
▼日本は、核兵器を持たないことを国の方針としていますが、日本が核兵器を持つことについて、どう考えるか聞いたところ、▽「持つべきではない」が58%、▽「どちらかといえば、持つべきではない」が25%、▽「どちらかといえば、持つべきだ」が12%、▽「持つべきだ」が4%でした。
▼現在ある核兵器が今後どうなると思うか聞いたところ、▽「完全になくせる」が4%、▽「完全にはなくせないが、大幅に減る」が24%、▽「今よりは減るが、それほどは減らない」が36%、▽「今と変わらないか、むしろ増える」が35%でした。
▼近い将来、世界のどこかで核戦争が起きる危険があると思うか尋ねたところ、▽「かなりある」が31%、▽「少しある」が56%、▽「あまりない」が10%、▽「まったくない」が2%でした。
▼日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会が去年、ノーベル平和賞を受賞したことを知っていたか聞いたところ、▽「知っていた」が41%、▽「知らなかった」が59%でした。
▼日本被団協のノーベル平和賞の受賞が世界にどのような影響を与えたと思うか複数回答で聞いたところ、▽「被爆当時の被害の大きさを世界に伝える機会になった」が63%、▽「原爆投下の影響が現在まで続いている実態を知らせる機会になった」が42%、▽「核兵器廃絶の必要性を感じさせるきっかけになった」が28%、▽「核兵器の使用を抑制するきっかけになった」が23%などでした。
▼核保有国が参加していないことなどを理由に日本が加盟していない核兵器禁止条約について、日本はどう対応すべきだと思うか聞いたところ、▽「条約に加盟すべきだ」が33%、▽「条約には加盟しないが、加盟国の会議にオブザーバーとして参加すべきだ」が29%、▽「オブザーバーも含めて参加すべきではない」が5%、▽「核兵器禁止条約は必要ない」が3%、▽「核兵器禁止条約のことは知らない」が26%などでした。
【戦後の日本社会】(中学生・高校生)
戦後の日本社会や暮らしに関する質問で
▼戦後の80年は、全体としてどんな時代だったと思うか尋ねたところ、▽「よい時代だった」が23%、▽「どちらかといえば、よい時代だった」が60%、▽「どちらかといえば、よくない時代だった」が11%、▽「よくない時代だった」が4%でした。
▼10年後の生活がどのようになっていると思うか尋ねたところ、▽「とてもよくなっている」が6%、▽「少しよくなっている」が23%、▽「変わらない」が22%、▽「少し悪くなっている」が34%、▽「とても悪くなっている」が14%でした。
▼今の日本の社会に満足しているか、それとも不満か尋ねたところ、▽「満足している」が15%、▽「どちらかといえば、満足している」が44%、▽「どちらかといえば、不満だ」が29%、▽「不満だ」が11%でした。
▼「国民の期待や要求は、今の政治に反映されていない」という考え方について、どう思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が35%、▽「どちらかといえば、そう思う」が42%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が17%、▽「そう思わない」が4%でした。
▼「選挙によって、政治は変えられる」という考え方について、どう思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が22%、▽「どちらかといえば、そう思う」が31%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が28%、▽「そう思わない」が18%でした。
▼今の日本について「経済的な格差が広がっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が39%、▽「どちらかといえば、そう思う」が39%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が14%、▽「そう思わない」が5%でした。
▼今の日本について「違う意見を認めない社会になっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が19%、▽「どちらかといえば、そう思う」が33%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が34%、▽「そう思わない」が12%でした。
▼今の日本について「他人の非を責めたてる人が多くなっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が37%、▽「どちらかといえば、そう思う」が36%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が19%、▽「そう思わない」が6%でした。
▼今の日本について「将来に希望が持てない社会になっている」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が34%、▽「どちらかといえば、そう思う」が33%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が23%、▽「そう思わない」が8%でした。
▼今の日本について「国際的な地位が低下している」と思うか尋ねたところ、▽「そう思う」が30%、▽「どちらかといえば、そう思う」が36%、▽「どちらかといえば、そう思わない」が26%、▽「そう思わない」が7%でした。
▼今後の日本が重点をおいて取り組むべきことは何だと思うか複数回答で尋ねたところ、▽「少子化対策」が76%、▽「地球温暖化の防止」が56%、▽「経済の活性化」が55%、▽「超高齢社会への対応」が52%、▽「教育の充実」が49%、▽「防災・減災の強化」が43%、▽「多様性・公平性の尊重」が41%、▽「財政赤字の削減」が40%、▽「安全保障の強化」が34%、▽「文化の継承と発展」が34%、▽「地域社会の活性化」が31%、▽「エネルギー政策」が30%、▽「科学技術への投資」が19%、▽「その他」が4%でした。
▼日本の将来は明るいと思うか、暗いと思うか尋ねたところ、▽「明るい」が9%、▽「どちらかといえば、明るい」が38%、▽「どちらかといえば、暗い」が39%、▽「暗い」が12%でした。