
噴火活動続く新燃岳 地下のマグマの影響強くなっているか
先月から活発な噴火活動が続く霧島連山の新燃岳では、火山灰に含まれる新たなマグマに由来する物質が、これまでより増えていることが分かりました。気象庁は、マグマの影響が強まっているとして、引き続き、火口からおおむね3キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
新燃岳では先月22日に2018年6月以来となる噴火が発生し、その後も、噴煙が最も高い時で火口から5000メートル以上、上がったほか火山ガスに含まれる二酸化硫黄の放出量が一日当たり2100トンから4000トンと、多い状態が続いています。
また、産業技術総合研究所が火山灰を分析した結果、新しいマグマに由来する物質は噴火が始まった当初、わずかだったのに対し、今月2日の噴火の際は数%含まれていることが分かったということです。

これについて気象庁は、これまでより地下のマグマの影響が強くなっている可能性を示していると分析しています。
気象庁の碓井勇二 火山活動評価解析官は「水蒸気噴火というのは難しいがマグマ噴火とは言えず、中間的な噴火だ」としたうえで「今後、本格的なマグマ噴火に移行すると、大量の火山灰が降る噴火が発生したり、溶岩流が発生したりということが想定できる。すでにマグマ噴火を想定した警戒範囲を設定しているので、警戒範囲内には入らないようにお願いしたい」と話しています。

気象庁は、引き続き火口からおおむね3キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に、おおむね2キロの範囲では火砕流に警戒するよう呼びかけています。
また、爆発的な噴火に伴う空振=空気の振動で窓ガラスが割れるおそれがあるとして、注意を呼びかけています。
諏訪之瀬島の地震“一連の地震との直接の関連性はない”
8日は、諏訪之瀬島で地震活動が活発になり、午前5時半すぎから震度3の揺れを観測する地震が相次ぎました。
この地震について、気象庁は地震活動と火山活動に関する定例の会見の中で、悪石島や小宝島付近の一連の地震との直接の関連性はないという見解を示しました。
理由としては、地震の震源がこれまでも火山性地震が相次いで起きていた諏訪之瀬島の西側だったことや、先月から地震が相次いでいる悪石島などの領域とは数十キロ離れていることをあげています。