
スーパーなどでの先週の主な野菜の平均価格が発表されました。トマトとにんじんが主な産地で気温が高かったことなどの影響で平年より20%近く高くなった一方、生育がおおむね順調だったキャベツやレタスなど、平均価格が平年を下回る野菜もあります。
毎日の食卓に欠かせない野菜の価格について、最新の情報をまとめました。
野菜8品目の平均価格発表(今月4~6日)
農林水産省は消費量が多い8品目の野菜について8月4日から6日にかけて行ったスーパーなどでの価格の調査結果を13日、発表しました。
●高値な野菜

それによりますと、いずれも1キロ当たりの平均価格は▽トマトは816円で平年より19%▽にんじんは589円で17%、それぞれ上回りました。農林水産省によりますと、これは主な産地での気温の高さや降水量の少なさなどから出荷量が減少していることが要因だということです。
●手ごろな野菜

一方▽キャベツは160円で平年より11%▽レタスは415円で18%、それぞれ安くなりました。農林水産省は産地で適度な雨が降ったこともあって、いずれも生育はおおむね順調で平年より手ごろな価格につながっているとみていて、全国的に猛暑が続く中でも野菜価格の動向は品目ごとに違いがみられます。
キャベツ “出荷量・価格 平年並みで推移か”
農林水産省はキャベツについては8月の後半の出荷量、価格とも「平年並みで推移する」とみています。
“お得な動き” カット野菜増量
キャベツの生産が増えているとして、キャベツを使ったカット野菜を増量する動きも出ています。

都内に本社のあるカット野菜のメーカーではキャベツやレタスなどをカットして袋詰めした商品を、価格を据え置いたまま通常より20%増量して販売しているということです。またキャベツの千切りの商品も20%増量しているということです。いずれの商品も8月末まで増量を続ける予定で、原料供給の状況によっては予定より早く終わる可能性もあるとしています。
価格の推移
農林水産省によりますと、スーパーなどで販売されるキャベツの平均価格は去年11月中旬に1キロ当たり352円と平年の2倍となりました。ことし1月中旬には1キロ当たり553円と平年の3倍を超え、そのあとも高値が続き4か月以上にわたって平年の2倍以上の高値が続きました。

農林水産省は愛知や千葉などの冬の時期に主力となる産地で夏の高温によって苗の生育が悪くなったことに加え、12月から2月にかけて今度は雨が少ない状態が続き、大きく育たなかったことが主な理由だとしています。
一方、ことし4月以降は生育が順調になって価格が徐々に落ち着き、5月以降はおおむね平年を下回る水準で推移しています。
専門家「安いものもある よく見ていくことが重要だ」

東京農業大学の藤島廣二名誉教授は「野菜は天候による変動が大きい品目だ。供給が過剰や過少になると、価格が高くなったり低くなったりして予測どおりにはいかないというところが出てくる」と話しています。消費者に対しては「野菜は品目も多いので高いものも確かにあるが、安いものもあるのでよく見ていくことも重要だと思う。生鮮野菜だけでなく冷凍野菜もあるので、どれを選んだらよいのか考えるべきだ」と提案しています。
そのうえで「消費者が野菜の価格の変化をすべて覚えることはできないので、店側も情報の提供のしかたに工夫があってもいいのではないか」と話し、小売業者側にも対応を呼びかけています。
猛暑対策 生産現場では…
ことしも猛暑が続き、野菜の生育にも深刻な影響が心配されますが、生産者はさまざまな工夫で安定した出荷を実現しようとしています。
対策1. こまめな水やり

長野県軽井沢町では高原地帯の寒暖差を生かして夏から秋にかけてキャベツの生産が盛んで、このうち荒井芳光さんの広さおよそ8ヘクタールの畑では6月中旬から収穫が続いています。
7月以降、気温が30度を超える日があることから、例年よりこまめに水やりを行うなど対策をとることで現在のところ平年並みの収穫量を維持できているということです。荒井さんは「これまでの暑さへの対策と最近の雨で順調に生育して安心している。例年と同じ条件に持っていくのには手間がかかるが、臨機応変に対策をとっていきたい」と話していました。
一方で、10月下旬に収穫する予定のキャベツの苗の植えつけも進めていますが、暑さで葉が枯れる影響も出ているということで、今後も肥料を追加するなどの対策を進めていくことにしています。
対策2. 暑さに強い品種

暑さに強い品種を取り入れて安定した出荷を実現している農家もあります。
東京 江戸川区の小原英行さんは、主に都内の学校給食向けに年間およそ50トンのコマツナを生産しています。小原さんの広さ25アールの農場では暑い夏の期間でも安定した生産につなげようと、6年前から暑さに強い品種を採用しています。現在は5月から9月までの間、この品種を栽培し、面積当たりの収穫量は以前育てていたものと比べると2倍以上に増えたということです。
ことしは暑さが厳しいことから多い時で1日におよそ60トンの水をまいているということで、このほかにも工夫を重ねて安定的な出荷を続けたい考えです。小原さんは「毎年いろいろな技術を模索してチャレンジしても夏の暑さの影響が上回ってくるが、おいしい状態のものをたくさん安定的に出荷することを目指したい」と話していました。