福井 再審で前川彰司さんに無罪判決 今後検察が上告するか焦点 2025年7月19日 5時24分 福井県 39年前、福井市で女子中学生が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で18日、前川彰司さんに無罪判決が言い渡されました。判決は関係者の証言を誘導したなどと捜査機関を厳しく批判していて、今後、検察が上告するかどうかが焦点となります。 目次 判決は検察と警察の対応を厳しく批判 再審制度 見直しの議論進む 39年前の1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件の再審で、18日、名古屋高等裁判所金沢支部は前川彰司さんに無罪を言い渡しました。 判決は、有罪の決め手とされてきた知人らの目撃証言について、「捜査に行き詰まった捜査機関が誘導などの不当な働きかけを行い、関係者がそれに迎合した証言をした結果、形成された疑いが払拭(ふっしょく)できず、いずれも信用できない」などと指摘したうえで、「検察と警察の不正・不当な活動は刑事司法全体に対する信頼を揺るがしかねない深刻なものだ」と厳しく批判しました。 事件発生から40年近くがたち、逮捕当時21歳だった前川さんは60歳となっていて、弁護団は審理をこれ以上長引かせるべきではないとして、検察に対して最高裁判所への上告を断念するよう申し入れました。 名古屋高等検察庁は取材に対し、「判決内容を精査し上級庁とも協議のうえ、対応を検討したい」としています。 上告の期限は8月1日で、今後、検察が上告するか、上告せずに前川さんの無罪が確定するかが焦点となります。 判決は検察と警察の対応を厳しく批判 名古屋高裁金沢支部の判決は、検察と警察の捜査や裁判での対応を厳しく批判しました。 目撃証言を誘導したと認定もとの裁判では「テレビで音楽番組を見ている時に呼び出され、前川さんを迎えに行った。胸のあたりに血が付いた前川さんを見た」という前川さんの知人の目撃証言が有罪の根拠の一つとされました。 これについて判決では、おととし検察が開示した警察の捜査報告書によって、この知人が「事件当日に見た」と話していた音楽番組の印象的なシーンが、実際には事件当日に放送されていなかったことが明らかになったとして、「警察が誤った放送日時や内容をもとに知人を誘導して、事件当日に音楽番組を見たという証言を得たことが認められる。警察官の誘導により、ありもしない体験についての証言が作り出されていることが明らかになった」と指摘しました。…