“相互関税” 停止措置期限迫る 発動で日本への影響は?【QA】 | NHK

“相互関税”-停止措置期限迫る-発動で日本への影響は?【qa】-|-nhk

アメリカのトランプ政権による「相互関税」の一時停止措置の期限が9日に迫っています。「相互関税」が発動されると日本にはどんな影響が見込まれるのでしょうか。これまでの交渉の経緯とあわせてお伝えします。

Q1.現状はどうなっている?

アメリカのトランプ政権は現在、日本に対して
▽自動車に25%
▽鉄鋼製品・アルミニウムには50%
追加の関税をそれぞれ課しています。

さらにすべての国や地域を対象とした10%の一律関税も課していて、7月9日まで一時停止されている「相互関税」とあわせた関税率は24%になっています。

Q2.日本政府はこれまでどんな対応?

日本政府は措置の見直しに向けて、アメリカとの間で閣僚交渉を重ねるなどして、解決の糸口を探ってきました。

赤澤経済再生担当大臣がことし4月以降、アメリカを繰り返し訪れ、ベッセント財務長官やラトニック商務長官らと交渉を重ねてきました。

この中で日本側は特に自動車への追加関税の見直しを強く求めてきました。

アメリカの譲歩を引き出すため、日本側は主に貿易拡大や非関税措置の見直し、経済安全保障での協力に加え、アメリカの自動車産業への貢献度に応じて自動車の関税率を引き下げる仕組みの提案もしてきました。

しかし貿易赤字の削減を求めるアメリカ側との隔たりは埋まらず、日本側が一つの節目と位置づけた6月のG7サミットでは、石破総理大臣がトランプ大統領と首脳会談を行ったものの合意には至らず、閣僚間の交渉が継続されています。

Q3.トランプ大統領(今月)「貿易に関して日本はこれまで非常に不公平だった。30%か35%の関税、もしくはわれわれが決定する関税を支払うことになる」。日本に対する関税が引き上げられた場合、どんな影響が見込まれる?

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、仮に「相互関税」の関税率が35%に引き上げられた場合、自動車関税なども含めたアメリカの関税措置全体で日本のGDP=国内総生産は1年程度で1.1%押し下げられると試算しています。
関税が30%に引き上げられた場合でも日本のGDPは0.97%押し下げられるとしています。
木内氏は、10%の一律関税を含む現在の一連の関税措置で日本のGDPは1年程度で0.47%押し下げられると試算していて、仮に相互関税が引き上げられれば、経済的な影響はその2倍以上に及ぶとみています。
木内氏は「事態が悪化した場合、日本経済が来年にかけて景気の後退局面に陥る確率は50%を超えるとみられる。日本としては譲歩せず、関税の撤回を求め続けるべきだ」と話しています。

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