ことし5月の働く人1人当たりの現金給与の総額は、前の年の同じ月と比べて1.0%増えて41か月連続のプラスでしたが、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず実質賃金は5か月連続でマイナスとなりました。
厚生労働省は、全国の従業員5人以上の事業所3万余りを対象に、「毎月勤労統計調査」を行っていて、ことし5月分の速報値を公表しました。

それによりますと、基本給や残業代などを合わせた現金給与の総額は、1人当たりの平均で30万141円と、前の年の同じ月に比べて1.0%増え、41か月連続のプラスとなりました。
このうち、基本給などにあたる所定内給与は、26万8177円と2.1%増えて、こちらは43か月連続のプラスでした。
一方で、物価の変動分を反映した実質賃金は、物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず、前の年の同じ月に比べて2.9%減りました。
実質賃金は、去年まで3年連続のマイナスで、ことしに入ってからも5か月連続のマイナスとなりました。
また、下がり幅が2.9%となったのは、おととし9月以来です。
厚生労働省は「所定内給与は堅調に増加しているが、実質賃金の下がり幅が大きくなったのは、物価の高騰や金額が変動しやすいボーナスが影響したとみられる。6月にボーナスが支払われる事業所もあるので、今後の動向を注視したい」とコメントしています。