中国 蘇州 子ども連れ日本人母親殴られけが 現地で不安広がる

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中国東部の江蘇省蘇州で、子どもを連れた日本人の母親が石のようなもので殴られてけがをし、現地の当局は男の容疑者を拘束しました。動機はわかっていませんが、戦後80年のことし、中国では反日感情が高まることも懸念されていて、現地に住む日本人の間では不安が広がっています。

上海にある日本総領事館などによりますと、蘇州にある地下鉄の駅構内で、7月31日、子どもを連れて歩いていた日本人の母親が何者かに石のようなもので頭を殴られました。

母親はけがをして病院で手当てを受けましたが、命に別状はないということです。

現場の駅はオフィスや商業施設が建ち並ぶ繁華街にあり、8月1日の夜は変わった様子は見られませんでした。

当局は、逃走していた容疑者を拘束して調べています。

関係筋によりますと、容疑者は男だということですが、動機などはわかっていません。

蘇州では、去年6月、日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われて日本人の親子がけがをし、バスの案内係の中国人女性が死亡する事件が起きました。

また、中国はことしを「抗日戦争勝利80年」と位置づけ、関連する映画が上映され、軍事パレードも予定されていて、反日感情が高まることも懸念されています。

現地に住む日本人の間では不安が広がっていて、日本人学校に通う児童の40代の父親は「再び事件が起きて怖い。去年の事件があってから気を緩めたことはないが、子どもも狙われてしまう危険性があるので、一層気をつけなければいけないと感じている」と話していました。

日本政府は、中国政府に対して中国に住む日本人の安全確保を強く求めています。