
JAMSTEC=海洋研究開発機構は、深海の無人探査機「うらしま」をより深く潜れるように改造して試験航海を行い、水深8000メートルに到達することに成功したと発表しました。巨大地震の発生が懸念されている日本海溝の地形の調査などに役立つものと期待されています。

深海の無人探査機「うらしま」は、これまで水深3500メートルまでの海底の精密な地形図の作成などに活用されてきましたが、より深く潜れるように耐圧を高める改造が行われました。
JAMSTECによりますと、今月、試験航海が行われ、伊豆・小笠原海溝の海域で水深8000メートルに到達することに成功したということです。
また、7200メートルから7500メートルの深さを24時間以上継続して調査できることも確認したとしています。
これによって「うらしま」は、巨大地震の発生が懸念されている日本海溝を含む、日本のEEZ=排他的経済水域のほぼ全域を探査できるようになり、早ければ来年度にも本格的な運用を開始する予定です。
JAMSTEC技術開発部の中谷武志グループリーダー代理は「今後の地震研究や深海科学研究に新たな知見をもたらす第一歩を踏み出せたことに大きな手応えを感じています」とコメントしています。