あす米ロ首脳会談 各国の専門家はどう見る?【詳しく】 2025年8月15日 6時11分 米ロ関係 アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は、日本時間の16日にウクライナ侵攻が始まって以降初めてとなる対面での首脳会談を行います。トランプ大統領は14日、会談の結果次第でウクライナのゼレンスキー大統領も交えた2回目の会談を行いたいと強調し、停戦に向けて一定の進展を見いだせるかが焦点となります。 トランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談は15日、アメリカ・アラスカ州の最大都市アンカレジにあるアメリカ軍の基地で行われる予定です。 対面での米ロ首脳会談はおよそ3年半にわたるロシアによるウクライナ侵攻後、初めてで、ロシア側によりますと現地時間の15日午前11時半ごろ、日本時間の16日午前4時半ごろから行われます。 そして、2人だけで通訳を介して会談した後に、両国の代表団も加わるとしていて、終了後には共同会見も予定されているということです。 会談に先立つ14日、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し「よい会談になると思うが、より重要なのは2回目だ。プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、もしかしたら、ヨーロッパの首脳も加わる会談を行うことになるかもしれない」と述べました。 その上で、「今回、成し遂げたいのは次の会談をセットすることだ。うまくいかなければ、会談はすぐに終わるだろうし、うまくいけば、近い将来に平和を手にすることになるだろう」とも述べ、ウクライナも交えた次の会談をすみやかに行いたいと強調し、そのような会談をアラスカで行う可能性にも言及しました。 一方、ロシア側は、大統領府のウシャコフ補佐官が14日、「ウクライナ危機の解決が中心の議題になるだろうが、平和と安全の確保に関するより幅広い議論も行われるだろう」と述べた上で経済や貿易の分野も含めた2国間関係についても議論が行われるという認識を示しています。 また、ロシア国営のタス通信は、大統領府のペスコフ報道官が、首脳会談を受けて成果文書を出すことは予定されていないと述べたと報じました。 今回の会談では、まずは米ロの首脳が議論した上で停戦に向けて一定の進展を見いだせるかが焦点となります。 会談どう見る? アメリカの専門家は 国際関係が専門のジョージタウン大学のチャールズ・カプチャン教授は、トランプ大統領が対面での米ロ首脳会談の開催を決めたことについて「プーチン大統領との対話を始めることを評価したい。この戦争が終わるには、アメリカ、ロシア両国の直接対話が必要だからだ。この戦争は戦場ではなく交渉の場で終結するものだ。ロシア、ウクライナともに勝利できる力を持っていない」と述べ、会談を行うこと自体には前向きな評価を示しました。 一方で「機が熟す前に会談を行うことは、トランプ大統領にとって間違いかもしれない。なぜなら、プーチン大統領にとっては、冷遇された孤立状態を抜けだし、アメリカに招かれ、大統領と対面することは大きな勝利を意味するからだ。プーチン大統領が取り引きや妥協に応じ、戦争を放棄する用意があるとトランプ大統領が判断した場合にのみ、その大きな勝利を提供すべきだが、プーチン大統領がその方向に向かっているかはわからない」と述べ、戦争終結に向けた具体的な道筋が見いだせていない中での会談に懸念を示しました。 そして会談の行方については「最も可能性が高いのはほとんど何も変わらず、会談後の状況が会談前とほぼ同じというものだ。つまり、プーチン大統領は時間を稼いで戦場で前進し、ウクライナは兵力や物資不足に直面するという状況だ」と予測しました。 その上で「もし、トランプ大統領がこの会談で戦争終結に向けた具体的な成果や進展を得られずに立ち去ることになれば、トランプ大統領はなんらかの代償を払うことになるだろう」と述べ、今回の会談はトランプ大統領にとってリスクも伴うものになると指摘しました。…