
NBA=アメリカプロバスケットボールのサマーリーグに参加していた河村勇輝選手が、シカゴ・ブルズとNBAと下部リーグの両方でプレーできる「ツーウエー契約」を結びNBA2年目の挑戦に向けて前進しました。
24歳の河村選手は昨シーズン、グリズリーズとツーウエー契約を結んで日本選手で4人目となるNBAデビューを果たしました。
しかし、22試合の出場で1試合平均の出場時間は4分余りにとどまり、平均1.6得点の成績で、シーズン終了後の契約延長には至りませんでした。
河村選手は今月、新たな契約を目指して若手選手が多く参加するサマーリーグにブルズのメンバーとして参加し、5試合に出場して1試合平均10.2得点、6.2アシストを記録しました。
身長はサマーリーグに参加していた選手の中で2番目に低い1メートル73センチながら、18日の最終戦ではスピード感あふれるプレーと華麗なパスで20得点、10アシストと2つのスタッツでふた桁の“ダブルダブル”を達成し、アメリカメディアでは「マジシャン」と紹介されるなど存在感を示しました。
こうした活躍から19日、ブルズは河村選手とツーウエー契約を結んだと発表しました。
ツーウエー契約では下部のGリーグのチームでプレーしながらNBAで最大50試合プレーすることができます。
日本選手ではこれまで渡邊雄太選手が「ツーウエー契約」から本契約につなげたことがあり、河村選手が目標とする本契約に向けてNBA2年目の挑戦が前進した形です。
NBAはことし10月21日に開幕し、レギュラーシーズンは82試合が行われます。
「ツーウエー契約」とは
NBAの「ツーウエー契約」は、若手の育成を目的に3年目までの選手を対象にした契約で2017年に始まりました。
NBAの各チームは15人の選手と本契約を結ぶことができ、これとは別にツーウエー契約の選手を3人まで登録することができます。
シーズン中は主にNBA下部のGリーグのチームでプレーしますが、けがで欠員が出た場合などにNBAのトップチームに昇格して最大で50試合までプレーすることができます。
河村選手は昨シーズン、NBA挑戦1年目でグリズリーズとのツーウエー契約を勝ち取り22試合に出場しました。
次のシーズンに向けて河村選手が契約したブルズは、すでに3人の選手とツーウエー契約を結んでいましたが、河村選手の枠を空けるために1人の契約を解除し高い期待が表れていて、シーズン中にNBA出場のチャンスが訪れる可能性が高いとみられます。
この「ツーウエー契約」で、過去には渡邊雄太選手が2018年にグリズリーズと結び1年目にNBAで15試合、2年目は18試合に出場し、さらに2020年にはラプターズと契約を結んでシーズン終盤の本契約につなげ、去年までNBAで合わせて6シーズンプレーしました。
河村選手は、渡邊選手のようにアピールを続けて本契約を目指すことになります。
NBA シカゴ・ブルズとは
ブルズはアメリカ中西部イリノイ州のシカゴに本拠地を置く、イースタンカンファレンス所属のチームです。
1966年に創設されて以降、低迷の時期が続きましたが、1984年のドラフトでのちに“バスケットボールの神様”と呼ばれるマイケル・ジョーダンさんを指名したことが大きな転換点となりました。
ジョーダンさんやスコッティー・ピッペンさんなどを中心に“王朝”と呼ばれる強豪チームを築いて1991年からNBA3連覇を達成しました。
さらに、一時引退と復帰を経たジョーダンさんに加えて、現在、アメリカ代表のヘッドコーチを務めるスティーブ・カーさんやデニス・ロッドマンさんなどがチームを支えて1996年から再び3連覇を成し遂げました。
ブルズの2度の3連覇は、今でもNBAの中でも伝説的な黄金時代としても知られ日本でもファンが多く、世界的なNBA人気を押し上げたとも言われています。
しかし、1998年にジョーダンさんがチームを離れて以降、2010年に史上最年少でMVP=最優秀選手を受賞したデリック・ローズさんなどスター選手は輩出しているもののNBAチャンピオンからは遠ざかっています。
昨シーズンは若い選手を中心に39勝43敗のカンファレンス9位でプレーオフ進出決定戦に進出しましたが、ヒートに敗れて3シーズンぶりにプレーオフ進出を逃しました。
河村選手はサマーリーグの初戦で取材に応じた際「昔からマイケル・ジョーダンのファンだったし、その組織に入れたことはすごく光栄だ。しっかりプレーしてファンの皆さんの期待に応えたい」とチームへの思いを話していました。