“イスラエルとシリアが停戦に合意”米発表 事態収束が焦点に

シリア

イスラエルが自国にも一定数が暮らす少数派の保護などを名目に隣国シリアに空爆を繰り返す中、アメリカは、イスラエルとシリアが停戦に合意したと発表しました。
シリアの暫定大統領は国内の勢力に戦闘の停止を呼びかけ、事態が収束に向かうかが焦点です。

シリア南部では今月、地元の遊牧民と、少数派のイスラム教ドルーズ派の住民との衝突をきっかけにシリアの暫定政府が軍の部隊を派遣する事態に発展しました。

これに対し、イスラエルは自国にも一定数が暮らすドルーズ派の保護などを名目に、シリア南部や首都ダマスカスで暫定政府軍への空爆を行うなど緊張が高まっていました。

こうした中、トルコに駐在するアメリカ大使が現地時間の19日、イスラエルとシリアが停戦に合意したとSNSで発表しました。

その後、シリア側は停戦を発表し、シャラア暫定大統領は声明で、「シリアは、国内のすべての少数派と宗派を保護することを約束する」と述べて、国内の勢力に対して戦闘の停止を呼びかけました。

AP通信は、シリアでは一連の衝突で8万人近くが避難を余儀なくされていると伝えているほか、現地の情報を集める団体は食料が不足し、病院が機能停止に陥っているとも指摘していて、人道状況が悪化する中、事態が収束に向かうかが焦点です。