チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は6日、90歳の誕生日を迎えました。後継者選びをめぐって、外部の介入を認めない考えを表明したばかりで、中国側が中国政府の承認が必要だと主張する中、後継者の選定をどう進めるのか注目されます。 チベット仏教の最高指導者でノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマ14世は、中国の弾圧から逃れ70年近くインドで亡命生活を続けています。 90歳の誕生日を迎えた6日、ダライ・ラマ14世は、インド北部ダラムサラにあるチベット仏教の寺院に姿を見せ、僧侶や世界各地から集まった信者などおよそ7000人が祝福しました。 ダライ・ラマ14世は、誕生日にあわせたメッセージで「すべての人に対して慈悲の心を持つことで世界をよりよくすることに貢献できます」などと呼びかけました。 民族衣装を着た女子生徒は「お姿を近くで見ることができ、感謝と幸せな気持ちでいっぱいです」と話していました。 また、アメリカから来たという女性は「どうか長生きされるよう、祈っています」と話していました。 ダライ・ラマ14世は誕生日に先立つ7月2日、後継者選びについて、みずからの死後に、ほかの高い位の僧などが生まれ変わりを探す「輪廻転生」に基づく制度が継続されると表明し、外部の介入を認めない考えを強調しました。 一方、中国側は、後継者は中国政府の承認が必要だと主張していて、中国の介入を避けながら後継者の選定をどう進めるのか注目されます。