北海道 福島町 ヒグマ捕獲に至らず 住民の生活に影響も
新聞配達中の男性がヒグマに襲われ死亡した北海道福島町では、今も捕獲に至っておらず、住民の生活に影響が出ています。
福島町内の小中学校では、今月14日以降、徒歩での登下校をやめ、保護者の車やスクールバスなどで登下校しています。
福島中学校では、16日午後、下校時間に迎えの車が次々と訪れ、生徒たちが足早に車に乗り込んで下校していました。
屋外での部活動は屋内の練習に切り替えているほか、来週からは下校時間を1時間早める予定だということです。
また、町にある総合体育館、町民プール、福祉センター、図書室、それにパークゴルフ場を当面、休館するほか、町の中心部にある公園も閉鎖し、立ち入りを禁止したということです。
こうした中、住民からは不安な声が聞かれました。
70代の女性は「草が生えている場所を見るとおっかないという気持ちになる。町には何よりも早くヒグマを捕まえてほしい」と話していました。
60代の女性は「暑さのピークが過ぎた時間帯に犬の散歩をしているが、散歩の途中に草木がざわつくことがあり、ヒグマが捕獲されていない中で怖い思いをしている」と話していました。
福島町の町長が対策を説明
ヒグマに襲われた男性が死亡した北海道福島町の町長が、16日夕方、会見し、ヒグマを住宅地に近寄らせない緊急の対策として、ゴミ出しのルールの徹底や周辺の草刈りを行うとともに、防護柵などの設置を検討する考えを示しました。
福島町の鳴海清春町長は、16日午後5時半ごろに町役場で会見しました。
その中で、男性が襲われた地区などに合わせて6基の箱わなを仕掛け、近隣からハンターの応援を受けて6人態勢で対応にあたると説明しました。
また、ヒグマが住宅地に近寄らないようにするための緊急の対策として、周辺で草刈りを行うほか、今月23日には町内会長を集めてゴミ出しを収集の直前に行うことを住民に徹底させたい考えを示しました。
さらに今後は道の支援を受けながら、ヒグマが住宅地に近寄らないようにするための防護柵の設置などを検討する考えも示しました。
鳴海町長は「箱わなを仕掛けたり、防災無線で注意を呼びかけたりしてきたが、これまで山で起きている事案が圧倒的に多いなかで、今回は全く違い、そこまで予測していなかった。対策はやってきたが、クマがそれをこえてきた。住民の生命や財産を守るのがいちばんの仕事なので、対策を進めていきたい」と話していました。